The jQuery projectは15日(米国時間)、jQueryの最新版となるjQuery 1.2.2を公開した。jQueryはJavaScriptで開発された軽量なAjaxフレームワーク。動作が高速でファイルサイズも小さいという特徴がある。 XPathを指定して動作する仕組みも特徴的だ。

jQuery 1.2.2は1.2系のバグフィックスおよび最適化リリース。120を越えるバグを修正したバグフィックスリリースという位置づけだが、重要な変更や改善の実施、最初にリリースされてから2年目となる記念すべきリリースでもある。圧縮された最小版で15KB、圧縮版で28KB、通常版で93KB。

もっとも注目すべきは$(DOMElement)の処理が改善されて同処理に関して300%ほどの高速化が実現されたことだ。Firefox 2、Firefox 3、Safari 3、Opera 9、IE 6のどれでも大きな実行速度向上が確認されている。そのほか .ready()のオーバーホールによる処理性能の改善、.hover()を .bind("mouseenter")と.bind("mouseleave")の2つに分離、.bind("mousewheel")追加によるホイールマウスのホイールイベントへの対応、イベントAPIの拡充などが実施されている。

jQuery 1.2.1と1.2.2で$(DOMElement)の処理時間比較 - jQueryのサイトより抜粋

JavaScript AjaxアプリケーションフレームワークとしてはPrototypeとscript.aculo.usが長い間人気でありつづけているが、これに対してここ2年で一気に追い上げをかけている新しいフレームワークがこのjQueryだ。仕組みのシンプルさと扱いやすさ、軽量さなどがデベロッパに認知されて一気に人気をのばしている。プラグインを開発することで機能の拡張が簡単に実施できることも人気の理由となっている。

jQueryのオリジナルデベロッパにして主要開発者のJohn Resig氏はMozilla FoundationでJavaScript Evangelistも務めている。次期JavaScriptやCSS3などに詳しい同氏が開発しているだけあって、jQueryの動向は今後も目が離せない。