米Microsoftの.NET関連ソフトウェア技術者として知られるDouglas Purdy氏は、自身のブログで「Emacs.Net」の開発者およびテスターの募集を告知した。名称は仮定とされるが、UNIX系OSを中心に多くのユーザを擁するオープンソースソフトウェア「GNU Emacs」の.NET移植版である可能性は高く、将来的には.NETフレームワークのサブセット版的機能を持つランタイム環境「Silverlight」での動作も視野に入ってくる。

ブログに投稿された記事によれば、氏が率いる.NET関連開発プロジェクトの活動の1つとして、「Emacs.Net」と題したツールの開発サブチームを発足。そのための開発者およびテスターを募集する旨の告知が行われている。GNU Emacsの移植版であることは明記されていないものの、統合開発環境やテキストエディタの開発経験者を歓迎すると記載されていることから、目標がGNU Emacsの移植、またはEmacsライクなテキストエディタの開発であることは確実。

GNU Emacsは、GNUプロジェクトの活動で知られるRichard Stallman氏を中心に開発が進められている、高機能なテキストエディタ。各種UNIX系OSやWindowsなど多くのプラットフォームで動作し、GNU Emacs上に実装されたマクロ言語 (Emacs Lisp) で記述された開発支援ツールが豊富に用意されていることから、一種の統合開発環境として利用するデベロッパは多い。Emacs.NetがVisualStudioビルトインの機能ではなく、独立したツールとして開発されることは、.NET開発環境の拡充に対するMicrosoftの方針に変化が現れた証拠ともいえる。