RPMプロジェクトは5日(米国時間)、多くのLinuxディストリビューションに採用されているパッケージングツールの最新版「RPM 5.0」をリリースした。対象プラットフォームにはLinuxやBSD、SolarisやMac OS X、Cygwinなど、現時点における主要なUNIX系OSが網羅されている。
RPM 5.0では、Automake / Autoconf / Libtoolベースのビルド環境を全面的に改訂。Autoconfに関する部分は一新され、大半のサードパーティー製ライブラリは柔軟な方法で外部リンクが可能となった。アーキテクチャごとの仕様が記載されていた設定ファイル (rpmrc) は廃止、macrosに統一された。ほかにもXMLベースのアーカイブフォーマット「XAR」の実装、RPMv3のサポート廃止 (RPMv4のみ対応) が行われている。
RPMプロジェクトは、RPMが多くのLinuxディストリビューションに採用されるなか、次第に分岐の傾向を強めることに懸念を持った有志開発者を中心に、OpenPKGプロジェクトの支援を受け2007年7月に発足。コードベースにはRPM 4.4.2系列を採用、散逸していたパッチを収集し機能の一本化を進めるとともに、Linux以外のUNIX系OSにも対応できるようクロスプラットフォーム指向で開発が進行されていた。
RPMは、Red Hatが自社のLinuxディストリビューション用に開発したパッケージングツール (Red hat Package Manager)を起源とする。現在ではTurbolinuxやSUSEなど他のLinuxディストリビューションにも採用され、Linux Standard Base (LSB) に承認されたソフトウェアパッケージ配布形式となっている。PC-UNIXで使用されるRPM以外の配布形式には、Debian GNU/Linuxなどで使われる「deb」、FreeBSDの「ports」などがある。