シャープは、同社の100%出資子会社であるシャープファイナンスの株式の65%を、みずほフィナンシャルグループの総合リース会社である芙蓉総合リースに譲渡することで合意した。2008年3月下旬に株式譲渡契約を締結。4月1日付けで株式譲渡を行う。

シャープファイナンスが発行する600万株のうち、390万株を芙蓉総合リースが取得する。譲渡金額は公表していない。

シャープファイナンスは、芙蓉総合リースの連結子会社になるとともに、シャープの持分法適用会社としてグループ会社としても留まる。また、シャープファイナンスの商号もそのまま継続する。

シャープファイナンスは、主に中小企業などを対象に、FAXや複写機などの事務機器、医療機器などのリース事業を行ってきた。

「新リース会計基準の導入によって、メーカー系列の枠組みでは、事業拡大、資金調達、人材確保という点で限界があると感じていた。リース、ファイナンス事業の拡大と多様化を目指して、戦略的パートナーとの提携を検討してきた。芙蓉総合リースが得意とする大手企業、中堅企業に対して、シャープファイナンスは中小企業を対象としているため補完関係にある。また、豊富な資金力を背景にした市場競争力の強化、リースの専門ノウハウを生かした質の向上が図れる」(シャープ 取締役経理本部長 大西徹夫氏)とした。

一方、芙蓉総合リースは、経営戦略のひとつとして、中小企業の取引拡大を掲げており、リテールマーケットに強みを持つシャープファイナンスを傘下に入れることで、この分野における事業拡大を目指す。

芙蓉総合リースの取締役副社長 町田充氏は、「シャープファイナンスとは数十年に渡る取引関係があり、お互いに補完する関係にあった。一方、新リース会計基準の導入によって、競争激化が見込まれ、その対応を前向きに検討してきた。シャープファイナンスが持つ中小企業に対するノウハウ、メーカー系としての商品に強いノウハウを生かすことができる。今回の合意によって、高いシナジー効果が期待できる」とした。

会見するシャープ・大西徹夫取締役(右)と、芙蓉総合リースの町田充副社長

芙蓉総合リースにおける年商1億円以下の顧客の比率は約20%。シャープファイナンスではこれが6割を占めるという。

シャープファイナンスの2006年度営業収益は140億2,200万円、営業利益は55億8,500万円、経常利益は57億2,300万円、当期純利益は33億7,000万円。従業員は355人。また、芙蓉総合リースの2006年度営業収益は3,915億4,600万円、経常利益は179億7,300万円、当期純利益は122億8,600万円。従業員は900人。