日立製作所、キヤノン、松下電器産業の3社は25日、液晶パネル事業において包括的な提携を行うことで基本合意したと発表した。液晶パネルを製造する日立の子会社2社にキヤノンと松下が出資する。日立は液晶パネル事業への出資軽減、キヤノンはデジタル一眼レフカメラなどに使用する中小型液晶パネルの安定的した調達、松下はプラズマディスプレイパネルに加えて液晶パネル事業にも力を入れていくことが目的。

まず最初に、キヤノンと松下は、来年(2008年)3月末日までに、日立の100%子会社で中小型液晶パネルの設計や製造を行う日立ディスプレイズの株式をが24.9%ずつ取得する。これにより、日立の日立ディスプレイズへの出資比率は50.2%となる。次に、日立ディスプレイズが50%、松下が30%、東芝が15%、キヤノンが2%を出資するIPSアルファテクノロジについては、松下が子会社化する予定という。

なお、液晶分野については、今月21日に東芝とシャープが半導体分野も含めて提携すると発表している。こちらの提携は来年度からスタート。2010年度には、シャープが東芝から液晶テレビ用システムLSIを約50%、東芝がシャープから32型以上のテレビ用液晶モジュールを約40%購入するとしている。

液晶パネルは世界的に需要が高まっている一方で、競争が激化。メーカーには高品質な製品を低価格で提供することが求められており、業界再編が本格化している。