日本レコード協会(RIA)は25日、「違法な携帯電話向け音楽配信に関するユーザー利用実態調査」の2007年版を発表した。同調査によれば、音楽をフルサイズで提供する違法「着うたフル」の月平均ダウンロード数は、2006年に10代前半(12-15歳)で2.4曲だったのに対し、2007年には4.5曲とほぼ倍増した。また、こうした違法音楽配信サイトの存在を知ったのは、12-15歳の45.2%、16-19歳の42.3%が友人経由だったことも明らかとなった。

同調査は、RIAが野村総合研究所に委託し、2007年11月12日~15日の3日間、12歳から39歳までの携帯電話利用者を対象に、違法音楽配信サービスの利用実態に関するモバイルアンケート調査を行った。2006年に続き2回目。同調査は、プロモーション目的などを除く、音楽を無料でダウンロードできる携帯電話サービスを「違法サイト」とし、掲示板などで音楽がアップロードされたサイトも違法サイトとしている。

同調査によれば、違法サイトを「よく利用している」のは、全体の11.9%(前年比0.7ポイント増)、「たまに利用している」は25.2%(同0.9ポイント増)で、両者を合わせた利用者は37.1%となり、前年の35.5%を1.6ポイント上回った。

世代ごとに違法サイトの利用率を見ると、12-15歳の10代前半では63.9%が利用したと回答、前年の64.5%から微減したのに対し、16-19歳の10代後半では56.8%が利用したと回答し、前年の45.3%から大幅に増加した。また、20-24歳までの20代前半の違法サイト利用率も、前年は39.0%だったのが、41.6%に増加した。

違法サイトへアップロードした経験の有無では、全体の14.0%が経験あると回答。昨年の17.7%に比べ微減したが、20-24歳の20代前半では10.5%が経験あると回答、前年の5.0%を大きく上回った。これにより、20代前半では、違法サイト利用率、アップロード経験率とも昨年に比べ大きく増加したことが浮き彫りとなった。

また、2007年の調査では、音楽をフルサイズで提供する違法「着うたフル」のダウンロード頻度が月平均2.0曲となり、音楽の一部のみを提供する違法「着うた」ダウンロードの月1.9曲を上回った。

違法「着うたフル」のダウンロードを世代別に見ると、12-15歳の10代前半で前年の2.4曲から2007年は4.5曲とほぼ倍増したほか、16-19歳の10代後半でも、前年の1.7曲から2007年は3.0曲となり、大幅に増加した。

また、違法サイトの認知経路では、12-15歳の45.2%、16-19歳の42.3%が「友人から聞いて」と回答し、10代では違法サイトの存在をおもに友人から知る実態が明らかとなった。

RIAでは、我が国における違法音楽ファイルについて、「違法着うた・着うたフルのダウンロード数は、年間で約3億9,900万ファイルと推定される」とし、2006年10月~2007年9月の直近1年間の有料「着うた」「着うたフル」のダウンロード数3億2,700万回を上回ったとしている。