毎日コミュニケーションズ(以下、マイコミ)では現在、人材登用を積極的に進めている。この4年間でスタッフは3倍近くになり、支社/事業所の数も大幅に増えた。その結果、「以前のシステムでは社内情報共有が難しい状況になった」(マイコミ 業務システム統括部 部長)という。

そこで、同社 業務システム統括部では、新たなグループウェアを探し始める。機能が豊富、拡張性に優れるとの理由からドリーム・アーツの『INSUITE Enterprise』(以下、INSUITE)を採用。2006年8月から活用し始め、マイコミ社内の情報共有に一役買っている。

2007年3月には通達拡張オプションを購入。さらに独自の機能拡張も施し、情報発信者と利用者の双方にとって、より使いやすいグループウェアへと進化させた。では、どのような機能拡張を行い、それによりどのような効果が現れたのか。また、同グループウェアを使って具体的にどのようなかたちで情報共有が進められているのか。以下、業務担当者と情報システム部門の話を基に簡単に紹介しよう。

導入から7カ月、さらなる業務効率化を目指してINSUITEを強化

「グループウェアを積極的に利用してもらうためには、無駄な情報を減らすことが大切。ユーザーが本当に必要とする情報が見つけづらいようでは、使ってもらえなくなってしまう」――マイコミ 業務システム統括部 部長は、グループウェア運用のポイントについてこのように語る。

人事、総務などから社内スタッフへ伝えられる連絡事項には、さまざまな種類のものが存在する。すべてが全スタッフを対象としたものではなく、一部の部署や役職を対象としたものも少なくない。これを一緒くたに表示させてしまうと、各ユーザーにとって関係のない情報があふれてしまい、必要な情報を見つけるまでに多くの時間を費やすことになる。ユーザーは次第にチェックを怠るようになり、連絡事項が伝わらないという事態に陥る。

こうした状況を回避するには、ユーザーの立場に応じて、表示される連絡事項を制御する必要があるわけだが、以前はそのための機能が弱かったという。「一部の人に絞ってメッセージを送付する場合、その送付先メンバーを毎度グループ化しなければならず、連絡前の準備作業に時間がかかっていた」。

役職/部署単位で通達先を柔軟に指定可能

このような状況を改善するために、マイコミでは、ドリーム・アーツが提供する「通達拡張オプション」を購入した。同オプションは、もともと新潟県庁向けに開発された拡張機能セットで、大規模組織の作業を効率化できるよう工夫されている。とりわけメッセージ送付先の指定に関しては柔軟に行えるようになっており、「以前の煩雑さが大幅に軽減された」という。

社内スタッフに対してメッセージを送る機会が多い総務企画課の担当者は、同オプションの導入効果について次のように説明する。

「通達拡張オプションにより、"この部署の、この役職に該当する人"というかたちで通達先を簡単に指定できるようになった。以前は情報システム部門の手を借りていたことを考えると、作業が数段効率化された」

また、同担当者は特に「"除外"の指定もできる点がうれしい」と話す。「例えば、出版事業部の、課長以上の役職で、役員は除くといった指定もできる。最近は社員数が増えているため、この機能は非常に重宝している」。

緊急時の連絡が俊敏に - 問い合わせ件数減少へ

こうした機能は、コミュニケーションの円滑化に大きく役立っている。システム開発課の担当者は、「メッセージが発信されるまでの時間が大幅に短縮されたため、緊急時の連絡が行き届くようになった」と語る。

「先日、ネットワーク障害により、回線速度が遅くなったというトラブルが発生した。このようなトラブルが起こると以前は各部署から問い合わせの電話が殺到したが、通達拡張オプションにより関係各所へ即座に通達できるようになったため、今回は問い合わせが少なかった」

誰でも手早く適切な人にメッセージを送れるため、有事の対応が迅速に行える。人事や総務などの"バックオフィス業務"以外でも必要不可欠な機能となっている。

アンケート機能充実で、スタッフの意見が汲み取りやすく

通達拡張オプションの導入により追加された機能のうち、特に重宝しているもう1つの機能がアンケート機能だ。

以前は、アンケートを実施する場合、「情報システム部門がアンケートフォームや、集計機能を作らなければならず、さらにその集計結果を業務担当者がExcelに入力してグラフ化していた」(総務課担当者)が、現在では、これらの作業をすべてINSUITE上で済ませられるという。アンケートフォームをビジュアルに作成できるうえ、集計結果をまとめたグラフをWebページ上で閲覧することも可能。グラフの種類は担当者が自由に選ぶことができる。

また、アンケート未回答者に対して、催促の通知を出すことも非常に簡単に行える。同機能を積極的に活用した結果、回答率が大幅に向上。「"社内イベントの感想"といったそれほど大きな回答率を期待できないアンケートでも、約50%が回答してくれるまでになった」(総務部 部長)という。

社内イベントに対するアンケート文とアンケート結果

なお、通達拡張オプションには、そのほかにも「既読連絡事項を非表示にする」「連絡事項の検索/ソートが行える」など、ユーザーの利便性を向上させる機能が用意されている。総務課 担当者は、「この機能の使い方を宣伝し、グループウェアの利用率向上につなげていきたい」と、今後に対する意気込みを語った。