Opera Softwareは13日(ノルウェー時間)、欧州委員会に対してMicrosoftがWebブラウザの選択を阻害していると苦情を申し立てた。IEのバンドルが競争を阻害する不正な行為であること、Web標準に従わないことはユーザにとって害であることなどが指摘されている。同社はすでに同様の指摘を受けているが、今回は苦情を出したOperaにとってもタイミングが悪いという指摘もされている。

次期CSS3の策定を進めているCSS Working Groupには20を超えるグループが参加している。有名どころを挙げるだけでもAdobe Systems、Apple、Google、HP、IBM、Microsoft、Mozilla、Opera、Sun Microsystemsなどだ。CSS3ではレンダリングを大きく改善する可能性を秘めているグリッドレイアウトが導入されるため、特にWebデザイナから注目をされている。しかもMicrosoftはIE8でグリッドレイアウトの機能を実装してくるのではないかとみられており、このタイミングでOperaがMicrosoftを非難することは、Microsoftが標準仕様に準拠していく流れを阻害することになるのではないかという懸念が広まっている。

そして問題はCSS Working GroupにMicrosoftとOperaの両社が参加していることだ。Web Standards ProjectのメンバであるAndy Clarke氏はこの状況を鑑み、CSS Working Groupを一度解散すべきではないかという意見を述べている。この状況においてOperaとMicrosoftの両社が参加しているワーキンググループが本当に標準仕様の策定という作業をフェアに進めていけるのか懐疑的というわけだ。

Web標準に準拠したWebブラウザが普及することは、Webデザイナやフロントエンドデベロッパにとっては悲願だ。最大シェアを誇るIEがWeb標準に準拠することを望む声は多い。今回のOperaの取り組みやユーザの反応がどのような影響をMicrosoftに与えるか不明だが、同推移するにせよ関係者は注意深く注力しておく必要がありそうだ。