米Intelは12月18日(現地時間)、FCoE (Fibre Channel over Ethernet)ソリューション開発者向けのソフトウェアパッケージの提供を発表した。FCoEプロトコルスタックのテストやカスタマイズを行えるツールが付属しているのが特徴で、Linux上で動作する。ソフトウェアはGPLv2形式でオープンソースソフトウェア (OSS)として公開されており、Open-FCoE.orgのサイト上から無償でダウンロード可能となっている。

FCoEは、SAN (Storage Area Network)などのストレージ用途で利用されるファイバチャネル(FC)のプロトコルをカプセリングし、イーサネット上でやりとり可能にしたもの。ファイバチャネルはSCSIプロトコルを拡張して光ファイバ上でストレージとサーバ間の高速通信を実現すべく策定された規格だが、対応機器が高価で、到達距離や接続上の制限があるなどの課題もあり、大衆化の進んだイーサネットほどには普及していないのが現状だ。FCoEを用いることでファイバチャネルとイーサネットの混在環境が実現しやすくなるほか、高価なファイバチャネルの代わりにイーサネットを利用することでより安価に高速SANを構築できるというメリットもある。

「サーバ仮想化、データベースの成長、コンプライアンスの必要性が、ネットワークストレージに対する巨大なニーズを生み出している。FCoEはSANとサーバの接続をより容易で安価なものとする。今回のソフトウェアスタックの発表と業界標準のサポートでIntelはリーダーシップの役割を発揮し、オープンソースコミュニティが業界標準に沿った信頼性の高いFCoEソリューションを開発することに期待する」と米Intelデジタルエンタープライズ部門ジェネラルマネージャでシニアバイスプレジデントのPat Gelsinger氏はその狙いを説明する。

FCoEを巡っては、米Ciscoが今年4月、ファイバチャネルの標準化団体T11に対して初期仕様の提案を行っている。同じくT11のメンバーであるIntelでも、Ciscoや関連企業と共同でFCoEの利用拡大に努めていく方針だという。