スタートアップ企業の米Ribbitが12月17日 (現地時間)、独自のテレフォニー・プラットフォームとWebベースの新たな通信ビジネスモデルを提供するプランを明らかにした。自らを「シリコンバレー初の電話会社」と形容しており、同社の共同創設者でCEOのTed Griggs氏は「同じような電話会社が、これ以上増える必要はない。求められているのは、機器やサービスプラン、ビジネスモデルの制限から人々を解放する新しいタイプの電話会社だ」と述べる。
Ribbitは既存の電話会社が提供する電話サービスとWebベースのサービスを結ぶ「Ribbit SmartSwitch」というクラス5ソフトスイッチを用意し、さらにFlash/ FlexベースのAPIを開発者に公開している。これを利用することで開発者はFlashベースのリッチなボイスアプリケーションを開発して、Webサイトやコミュニティ、ソフトウエアなどに自在に組み込める。WebアプリとPSTN (公衆交換電話網)やVoIPネットワークを結んだ音声通信を、どのような形で実現するかは開発者のアイディア次第。開発者の成果によっては、ビジネスのワークフローや個人ユーザーの利用スタイルにとけ込む新たなWebベースの通信サービスが可能になるとRibbitはアピールする。同社のサイトでは「Chalkboard Phone」「AIR iPhone」と名付けられた、Webアプリケーションのインタフェースのサンプルが公開されている。
Ribbitは2008年第1四半期に、開発者がRibbitプラットフォームを用いたコミュニケーションサービスを提供するための、コマーシャルおよびエンタープライズ向けのパッケージの販売を開始する。エンドユーザーの通話の接続や使用状況の管理などはRibbitが請け負い、その上で開発者が自由にサービスを構築し運営できる。IDCのVoIPサービス担当のリサーチマネージャーであるWill Stofega氏は「Ribbitは開発者に対して、あらゆるWebアプリケーションにボイスを統合する手軽な手段を提供するだけではなく、新たなサービスを構築・テストし、販売するための環境も用意している点で非常に革新的だ」と解説する。
Ribbitはまた、Salesforce.comがパートナーとなったことを明らかにした。Salesforceは2008年第1四半期に、Ribbitプラットフォームを通じて音声およびメッセージ機能を同社のワークフローに統合する「Ribbit for Salesforce」をAppExchangeを通じて提供する計画だ。