日本ビジネスオブジェクツはレポーティングソリューション「Crystal Reports 2008」を発表、出荷を開始した。「Crystal Reports 2008」は、Flashファイルとの統合機能を搭載したことで、表現力を高めるとともに、対話型の操作環境により、レポート作成のための作業時間の短縮化を図るなど、よりいっそうの、レポーティングの効率性向上、コスト削減を目指す。また、同社は米国で展開している、「Crystal Reports」の機能をネットで提供する「crystalreports.com」の日本語版を2008年春ごろをめどに開設する意向だ。

「Crystal Reports 2008」では、Flashの統合により、「Xcelsius」「Adobe Flex」などのツールで作成されたAdobe Flashファイルをレポートに埋め込むことが可能で、動的なチャート、グラフィック、ビデオファイルもレポートに追加することにより、多様なデータを視覚的に、よりわかりやすく表現することができる。

クロスタブ機能の点では、集計、差異、その他の計算も表中の行や列に挿入でき、四半期ごとの集計、地域ごとの小計といった目的に使用することが可能で、財務レポートなどを作成しやすくしている。

また、対話型パラメータ/フィルタ機能では、パラメータパネルと呼ばれる入力インタフェースが画面に表示され、ここからパラメータの変更ができる。項目を絞り込むような場合、その都度、設定をデータベースとやりとりして作業しなけらばならなかったが、同パネルを介して、レポート画面上から操作できる。レポート内のレコード並べ替えも同じく、データベースとの接続なしに実行が可能だ。

さらに、XMLエクスポート機能も改善しており、単にXMLに対応するだけでなく、XSLT(XML Stylesheet Language Transformations)により、「Crystal Reports」データを変換、業界ごとの標準に準拠した形式の作成や、他のアプリケーションとの統合を支援する。

日本ビジネスオブジェクツ マーケティング部ディレクター山本哲也氏

同社では、レポートツールに対する要望、課題を次のように捉えている。開発者は、多数の帳票/レポートを作成しなければならないことから、開発コスト、手間の低減化を望んでおり、企業内エンドユーザーは、デザイン、表現の豊かさ、柔軟性を求めている。今回の製品は「これらのニーズに対応したもの」(同社マーケティング部ディレクター山本哲也氏)だ。

「Crystal Reports」は「すでに全世界で、OEMなども含め1,500万ライセンス以上を出荷しておリ、国内でも使われているが、知名度が上がっていなかった」(同)ため、今回、同社では、SI事業者、再販事業者などへのサポートを拡充、トレーニングや専用Webサイトによる技術情報の発信を促進していく方針で、.NET、Java、Oracle、SQL Server、DB2などの開発者への浸透を図り、コミュニティの形成も考えており、「Crystal Reports 2008」の初年度出荷目標を1万ライセンスとしている。