NTTレゾナントとMozilla Japanは11日、環境保護をテーマとしたWebブラウザ開発において協業すると発表した。Web検索によって得られた一部の収益を環境保護団体に寄付することを目的とした「緑のgoo版 Firefox」を「緑のgoo」を通じて提供する。ユーザーは、同ブラウザを導入することで、日頃のWeb検索を介して環境貢献に参加することができる。
NTTレゾナントでは今回の協業に先駆け、同社が8月より運営している「緑のgoo」において、エコへの関心や地球環境への貢献意識をユーザーに投げかけており、環境をテーマにしたブログパーツやテンプレートを提供している。現在、緑のgooブログパーツを利用しているブログは2,300ブログ以上、ブログテンプレートは540以上となっており、サービス開始から3カ月目で収益の15%の45万円をNGO団体に寄付したという。
提供開始した「緑のgoo版 Firefox」は、Firefox 2と緑のgooを連携させたもの。英語版「Mozilla Firefox goo Green Label Edition」も同時提供され、1億2千万人以上のFirefoxユーザーに対して環境保護の貢献活動を効率よく拡大させることができるという。
また同サービスの特徴は、ユーザーによるWeb検索で得られた収益を環境保護団体に寄付するというシステムに加え、検索バーから緑のgooを利用した検索回数に応じて成長する「gooの木」アイコンで、視覚的に環境保護意識を高めることができる点にある。木は100回の検索で1本成長するという仕組みで、現在2万本以上になったという。
「緑のgoo版 Firefox」開発の背景
温暖化や異常気象といった地球環境の話題がメディアで取り上げられることが日常的になった今日、一般ユーザーの環境に対する意識が急激に高まっている。これは、NTTレゾナントが1999年から運営している環境専門サイト「環境goo」が集計した環境用語アクセスランキング結果からみてもわかる。2007年の第1位は「ゴミ問題」、2位は「地球温暖化」、3位は「絶滅動物」となっている。また、2007年度初登場となった「ハイブリッドカー」(6位)や「ラニーニャ現象」(8位)も加わり、環境に対する知識の増大を垣間見ることができる。
NTTレゾナントのポータル事業本部 メディア事業部事業部長 浅田安茂氏は、このようなユーザーの環境に対する意識の変化を受け、同サービスの開発に着手したと説明。「Mozilla Japanとの取り組みが、少しでも社会に貢献できればと思っています」。
また、Mozilla Japanの代表理事 瀧田佐登子氏は「Firefoxのブラウザだけではないもう一つの信念、それは、"本来のWebの世界を取り戻そう"ということ。これは、"自然環境を取り戻そうじゃないか"というNTTレゾナントの取り組みと近いものがあると思い、今回協力させていただくことになりました」と語った。
両社は、ユーザーと共に環境へ貢献していきたいと同サービスの利用を呼びかけ、今後の展開に大きな期待を寄せた。
NTTレゾナント ポータル事業本部 メディア事業部事業部長 浅田安茂氏(写真左)、Mozilla Japan代表理事 瀧田佐登子氏(写真右) |