マカフィーは6日、米McAfeeによるサイバーセキュリティに関する年次報告書「McAfee Virtual Criminology Report Vol.3」の日本語版を発表した。同報告書によれば、現在120カ国がWebによる諜報活動を行っており、国際的なサイバー諜報活動の増加が2008年最大のセキュリティ脅威となりうるという。

「McAfee Virtual Criminology Report」は、NATO、FBI、SOCAや大学関係者など、セキュリティの専門家の意見をふまえ、世界的なサイバーセキュリティの最新動向を検証した年次報告書。今回発表されたVol.3で「2008年最大の危機」と警告されたサイバー諜報活動ついては、以下のようにまとめられている。

  • 政府および関係諸機関は、インターネットを使って、サイバー諜報活動、サイバー攻撃を相互に行っている
  • 電力、航空管制、金融市場、政府システムなど、重要な国家インフラのネットワークシステムがターゲット
  • 現在、120カ国がインターネットを使って Web諜報活動を行っている
  • サイバー攻撃の多くは中国から発信され、しかも中国政府はサイバー諜報活動を行っていることを公言(!)している
  • サイバー攻撃は進化し、政府のサイバー防御を巧みにすり抜けるように工夫されている
  • 攻撃は、初期の愉快犯から、豊富な資金力と組織力に裏付けられた政治、軍事、経済、技術スパイ活動に移行している

以上の内容から、サイバー諜報活動はより組織的な活動へと推移していることが見て取れる。McAfeeのMcAfee Aver Labs兼製品開発担当シニアバイスプレジデントのJeffGreen氏は「サイバー犯罪は今や世界的な問題であり、もはや産業界や個人に対する脅威に留まらず、国家安全保障に対する脅威となっている。世界中の組織を攻撃する巧妙化したグループからの脅威が高まっており、テクノロジは解決策の一部に過ぎない」と述べており、「5年以内に国際的な協調行動が始まる」と、サイバー犯罪に対抗するためには国際的な連携が欠かせないとしている。

また、同報告書では「個人データ、オンラインサービスへのますます進化する脅威」「複雑に進化するサイバー犯罪ツール市場」などについても解説されている。