米Standard & Poor(S&P) Equity Research Servicesは、今年末のホリデーシーズンにおける米国内ショッピング市場動向を予測した最新レポート「2007 Holiday Retail Outlook and Stock Picks」を発表した。
米国では、11月第4木曜日の感謝祭(今年は11月22日)翌日から、一気に年末商戦がスタート。この日は多くの小売販売業者の売上が急増して、黒字計上につながるため、「ブラックフライデー」という愛称まで付されている。また、その翌週の月曜日(今年は11月26日)は、一般的にオンラインショップへと客が押し寄せる日になっていることから、「サイバーマンデー」との愛称が付されるようだ。
すでに今年も米国各地で、華々しく年末商戦が幕開けしたとされるものの、同レポートは、米小売業協会(NRF: National Retail Federation)が先日公表した、今年のホリデーシーズン中の総売上高は前年比4.0%増となるとの予測を疑問視。ややこの成長率を下回る伸びにとどまるとの見方を明らかにした。昨年は前年比4.6%増の総売上高を記録しており、ここ10年間の平均値も、前年比4.8%増だったことを考えると、今年は少し例年よりも、年末商戦の盛り上がりに欠く可能性もあるとされている。
同社のConsumer Discretionary-Retail Groupを率いるMarie Driscoll氏は「小売販売セクターの成長減速を予測せざるを得ない兆候が、現在の米経済に少なからず観察される。住宅価値の下落、ガソリン価格の高騰などが消費者に及ぼす影響は、まだ限定的にしか見られていないものの、不安定な企業業績や市場動向が続き、経済成長速度も鈍化してきていることから、これまで大きな影響を受けてこなかった消費者にまで、今後は無視できないマイナス要因となっていく可能性がある」とコメントした。
とはいえ、同社は明るい見通しとして、消費者の間で高級ブランド志向が強まっていることや、オンラインショッピング利用が順調に進んできていることを指摘。こうした分野では堅調な売上が期待できるほか、ギフトカード販売の好調、レストラン業界の高収益なども予測できるとしている。