米Googleは11月27日 (現地時間)、石炭よりも安価な発電を実現する再生可能エネルギーの開発に取り組むイニシアチブ「RE<C (Renewable Energy less than Coal)」を発表した。同社はまた、フィランソロピー部門のGoogle.orgを通じて、再生可能エネルギー開発の支援に来年度だけで数千万ドルを投じる計画だという。
石炭発電は安価であるため世界の発電量の約40%をまかなう規模となっているが、多量の温室効果ガスを排出するという問題を抱える。Googleの創設者の1人であるLarry Page氏は「再生可能エネルギーの開発では、石炭よりも安価な電力供給を実現している優れた成果が、すでにいくつも存在する」と指摘する。RE<Cではまず、実用化が進められる太陽熱発電を手始めに、エンジニアや専門家の雇用を進め、風力、地熱などに対象分野を広げながら、低コストで環境に優しい電力供給の実現を目指す。また現在予想されていないような新技術の研究にも取り組む計画で、サンフランシスコ市全体の消費電力に相当する1ギガワット規模の発電を実現するのを当面の目標としている。「われわれは数十年というような時間ではなく、数年で成し遂げられると考えている」とPage氏。共同創設者のSergey Brin氏は「安価な再生可能エネルギーは環境にとって重要であるだけでなく、様々な分野において経済発展の活性化につながるだろう」と述べる。
RE<Cでの活動と平行して、Googleは再生可能エネルギーの効果を実証するために、Google.orgを通じて同分野の企業、研究開発機関、大学などへの戦略的な投資を行う。発表ではすでに同社が支援している企業として、太陽光発電を手がけるeSolar、高高度風力発電のMakani Powerが紹介されている。