Samsung電子はLCDパネルの8世代生産ラインに対して、追加投資を決定したと発表した。
今回追加投資されることが決まったのは、8-1ラインだ。Samsung電子の8-1ラインは、韓国の中央部、忠清南道 湯井に位置しており、Phase 1とPhase 2の2段階に別れている。このうちPhase 1は、Samsung電子とSonyによるS-LCDが共同投資した生産ラインだ。1兆8,000億ウォン(約2,091億9,754万円/1円=0.1162ウォン)が投資されたこのPhase 1は、2007年8月から本格的な量産に突入しており、量産から3カ月の10月には黒字を達成したという。
追加投資されるのは、8-1ラインでもPhase 2の方となる。こちらはS-LCDによる投資ではなく、Samsung電子が単独で行うものだ。追加投資額は約2兆ウォン(約2,324億4,172万円)となる。
これによりSamsung電子は、2008年末までに6万枚/月の生産力を確保できることになるという。8-1ラインの基板規格はいずれも、2,200×2,500mmとなっているが、キャパシティが5万枚/月であるPhase 1を含めると、8-1ライン全体で最大11万枚/月という、かなり大規模な生産ラインが完成することとなる。
同社による8-1ラインのPhase 2は、2008年第3四半期頃に量産を開始する予定だ。この際Phase 1およびPhase 2を運営するための人員や設備は、すべてPhase 1とは別途に運用される予定となっている。
今回Samsung電子が大規模投資を決定した背景は、「急速に拡大している超大型LCDテレビ市場の需要に積極対応するため」(Samsung電子)という。
同社提供の資料によると、LCDテレビ市場は2010年まで、年平均21%ずつ成長すると見込まれている。中でも50インチ以上の大型テレビ市場は、年平均65%という高成長が予測されているのだ。8-1ラインへの追加投資は、こうした流れに対応し、市場をリードするためのものに他ならない。
LCDパネル全体と、50インチ以上LCDパネルの需要展望(単位:100万台)
2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 平均成長率(年) | |
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LCDテレビ | 79.8 | 105.5 | 124 | 140.2 | 21% |
50インチ以上 | 1.2 | 2.5 | 3.8 | 5.2 | 65% |
Samsung電子では「Phase 1を3カ月で黒字転換させたノウハウを活かして、Phase 2も初期に正常化させたい」と当面の目標を述べた後、「LCD市場で支配力をいっそう強めたい」とも豊富を述べた。