現在ベータテスト中のPostgreSQL 8.3は、久々にストレージ部分に手が入るなど、大きな改良が加えられている。ストレージの基本構造部分に手が入るのは、筆者の記憶では、2001年リリースのPostgreSQL 7.1以来のことである。

8.3の改良点は、大きく分けて以下の3つになる。

1. 性能面での改良

HOT(Heap Only Tuple)という新しい仕組みがストレージ部分に導入され、従来PostgreSQLが苦手としていた、大規模データベースにおける更新処理性能が大幅に改善されている。そのほか、マルチセッションでのキャッシュ効率の向上などが目につくところである。

2. データベース運用管理機能の改良

PostgreSQLに限らず、データベースの適切な管理/運用は難しい。それだけで1つの職業になるほどだ。8.3では、より適切な管理が行えるように、ログ項目が増えているほか、適切なインデックスを教えてくれるインデックスアドバイザを実装するためのフレームワークが追加された。

3. SQL関連

更新可能カーソルが追加されたのが大きい。これで他のデータベースからの移行がより容易になった。

それでは、PostgreSQL 8.3の機能改良点を、詳しく見ていこう。