NECとNECインフロンティアは19日、タッチパネル形式の操作で通話が可能な大型カラー液晶ディスプレイ電話機「UNIVERGE IP Phone DT750」と、PC画面上の操作で通話が可能となるアプリケーション「UNIVERGE Soft Client SP350」の2つの新製品の販売を開始すると発表した。両製品とも2008年1月末の出荷を予定している。
今回発表された2製品はいずれも、IPテレフォニーシステムを中心に、音声・映像・データアプリケーションを統合して、コミュニケーションの効率化を図る「ユニファイド・コミュニケーション(UC)」を具現化するためのもの。NECでは、UCを実現する製品群を「UNIVERGE」ブランドとして世界規模で展開しており、両製品もそのポートフォリオの一部として加わることになる。
DT750は、XMLで制御可能な大型カラー液晶ディスプレイ(5.7インチ TFT)を装備し、ビジュアル性豊かなタッチパネル形式で簡単に操作できるのが特徴。通話制御プロトコルであるSIP(Session Initiation Protocol)に対応したテレフォニーサーバ「UNIVERGE SV7000」と業務サーバ、およびDT750を連携させることで、PCやモバイル端末から利用していた業務システムを固定電話機からも利用できるようになる。そのため、PCの設置が難しい小売店舗や競技場、公共施設などでの活用が期待される。
また、ディスプレイ上のQRコードを活用することで、携帯電話との連携も可能。具体的には、ホテルの館内状況やクーポン、地図情報、商品情報などを記載したWebページのURLをQRコードに変換してディスプレイ上に表示。それを携帯電話で読み取らせ、利用者の手元で閲覧してもらう。
一方、SP350は、NECが「ソフトフォン」と呼ぶ、PC上で動作するアプリケーション。テレフォニーサーバ「UNIVERGE SV7000」と連携させることで、PC画面上で通話相手の情報や状態が分かり、マウスやキーボードの操作により通話できる。追加サーバなしで最大8人までのビデオ会議が可能で、相手を指定して資料の共有ができるほか、資料の強調したい点をマジカルペンで書き込める。また、会議の最中に特定の人と会話できる「ささやきチャット」の機能もある。
記者会見で説明したNEC執行役員常務の谷岸一善氏は「2006年度は3,000億円だったUNIVERGE事業の売上高を、欧州、北米、大洋州、アジア(日本含む)の世界4極体制で、2009年から2010年までぐらいまでには5,000億円に増加させたい。その過程で、SOA(Service Oriented Architecture)にコミュニケーションインフラを加えたビジネスモデル『SOC(Service Oriented Communications)』を推進していきたい」と将来の構想を語った。
新製品の価格は、大型カラー液晶ディスプレイ電話機「UNIVERGE IP Phone DT750」が1台9万8,000円、ソフトフォン「UNIVERGE Soft Client SP350」が1ライセンス1万5,000円となっている。