Intelは11日(米国時間)、45nm製造プロセスベースのPenrynを発表した。さまざまな技術革新と機能向上が実現されているわけだが、ここでは特に拡張されたIntel仮想化技術に注目したい。Penrynでは仮想マシントランジッション時間が改善されており、平均で25%から75%の実行速度向上が確認されている。ソフトウェアに修正は必要なく、Penrynを利用するだけで仮想化機能のパフォーマンスが向上する。ハードウェアによる同様の仮想化技術はAMDのプロセッサでも提供されている。

タイミングを同じくて12日(米国時間)にはMicrosoftが仮想化を実現するハイパーバイザ技術「Hyper-V」を発表。同日OracleはXenなどのOSSを活用して開発した仮想化技術「Oracle VM」を発表している。2日後の14日(米国時間)にはSunがこれも同じくXenを活用して開発した仮想化技術「xVM」を発表した。ここへきて有力ベンダが軒並み仮想化技術を発表したことになる。

現存する同分野の仮想化技術を整理すると次のようになる。

  • VMware - VMwareプロダクトラインでハイパーバイザから管理まで提供
  • Microsoft - Hyper-VをハイパーバイザとしMicrosoftプロダクトラインナップで仮想化技術を提供
  • Xen陣営 - Xen技術をベースに仮想化技術を構築(Red Hat Enterprise Linux、SUSE Linux、Unbreakable Linux+Oracle VM、Solaris+xVM)

VMwareはハイパーバイザから管理アプリケーションまでを提供。OSで動作するPCエミュレータは無償で提供している。自社でOSを保持しているRed Hat、Novell、Oracle、Sunはそれぞれ自社のOSにXenの技術を組み込んで仮想化を提供。自社でOSを提供しているがハイパーバイザの形で仮想化技術を提供してきたのがMicrosoftだ。VMwareと同じくOSで動作するPCエミュレータは無償で提供している。

AppleはOS X Server 10.5で仮想化への対応を示唆しているし、LinuxはKVMで仮想化技術への取り組みを強化、FreeBSDもXenへの対応やKVMの移植を進めるなどして仮想化技術への対応を実施している。向こう数年の間、OSやハードウェアの仮想化技術はメインストリームの技術であり続けるだろう。マルチコア数が伸びるに従って仮想化技術はさらに重要なものになる。今後の動向には十分注目しておきたい。