ネオジャパンは14日、企業向けWebメールシステムの新版「Denbun POP版」をリリースした。Denbun POP版は、POP3対応のメールシステムをWebコンテンツ化する製品。これまでメーラを使って運用されてきたメールシステムを、Webブラウザ経由で利用できるようにする。
ネオジャパン プロダクト事業本部 販売推進部 松村佳菜子氏 |
通常のPOP3対応のメールシステムでは、一度アクセスされたメールデータはクライアントに移され、サーバ上からは削除される。したがって、「複数の端末を使ってメールをチェックするのに向いていない」「システム管理者がメールデータを一元管理ができない」「(クライアント上での操作は把握できないため)情報漏えいのリスクが高い」といった欠点があった。
こうした欠点を補うプロトコルとしてIMAPがある。ネオジャパンでも、以前からIMAP4に対応したDenbunを提供していたが、「IMAP対応のメールシステムを導入するとなると、既存の資産を活用しづらいうえ、コストがかかるという問題があった」(ネオジャパン プロダクト事業本部 販売推進部 松村佳菜子氏)。そこで開発されたのがDenbun POP版だ。
Denbun POP版の内部では、POP3を使って従来のメールシステムとやりとりを行い、メールデータをDenbun内のデータベースに格納する。そのデータをWebコンテンツ化し、ユーザーからのリクエストに応じてHTTP/HTTPSで返すという仕組みで、既存のPOP3対応メールシステムのデータをWebブラウザ経由で閲覧できるようにしている。メールの送信に関しても同様のかたちで対応しており、HTTP/HTTPSで送られてきたユーザーからのメールデータをデータベースに格納した後、SMTPを使ってメールシステムに送信される。
なお、Denbun POP版では、Denbun IMAP版と同様、Ajaxに対応しており、デスクトップアプリケーションと変わらぬ操作感を実現している。また、メール格納用のデータベースには汎用データベース(PostgressSQL)を採用しているため、検索が早く、バックアップ等の保守作業が行い易いという。加えて、ユーザー/グループ/アカウントの設定をCSVファイルでインポート/エクスポートできるうえ、IMAP対応のメールシステムとは異なり1ユーザーで複数のアカウントを利用可能といった特徴もある。
対応サーバOSは、Windows Server 2003、Red Hat Linux 9、Red Hat Enterprise Linux 3/4、Fedora Core 3。クライアント環境は、Windows XP/Vista上のInternet Explorer 6/7、Firefox、およびドコモ、au、Softbankの3キャリアをサポートしている。
60日間使用可能な無料体験版が用意されているうえ、2008年3月末までのキャンペーン期間中は標準ライセンス価格の半額で提供される。