米Microsoftは12日(現地時間)、現在スペインのバルセロナで開催されている「TechEd IT Forum 2007」において、2008年前半にリリースが予定されている「Windows Server 2008」の価格やライセンス体系を公表し、ハイパーバイザ機能を持つ仮想化技術Windows Server Virtualization(開発コード名: Viridian)の正式名称を「Hyper-V」としたことを発表した。
Windows Server 2008は、Hyper-Vを含むバージョン3種類と含まないバージョン2種類の計2系統が用意される。Hyper-Vはハイパーバイザとして機能する仮想化(バーチャライゼーション)技術で、ホストOSなしで直接バーチャルマシン(VM)のインスタンスをハードウェア上で実行できる。これによりサーバ統合やワークロードに合わせたパフォーマンスのスケーリングなどが容易になる。
Hyper-Vを含むバージョンは下記の3種類。
Windows Server 2008 Standard
Windows Server 2008のすべての基本セットとなるサーバOS。ハイパーバイザのHyper-Vに加え、セキュリティや可用性など、より信頼性を向上させる機能向上が図られている。実行可能なVMインスタンス数は1。
Windows Server 2008 Enterprise
基本的にはStandardと同等の機能だが、実行可能なVMインスタンス数が4に増えている。
Windows Server 2008 Datacenter
Windows Server 2008の高信頼性バージョン。VMインスタンス数は無制限。
Hyper-Vを含まないバージョンは下記の2種類。
Windows Web Server 2008
Webサーバ専用バージョン。Internet Information Services (IIS) 7.0、ASP.NET、Microsoft .NET Frameworkが統合されている。
Windows Server 2008 for Itanium-based Systems
Windows Server 2008のItaniumバージョン。大規模データベースや専用アプリケーション向けの専用プラットフォームとなる。
Itanium版を除くすべてのバージョンには、32ビット版と64ビット版の2種類のバイナリが用意される。また上記以外に、Hyper-Vを含まないWindows Server 2008 Starndard / Enterprise / Datacenterも提供される予定。ライセンス価格は下記の表の通り。
エディション | 価格 |
---|---|
Windows Server 2008 Standard(5 CAL) | 999ドル |
Windows Server 2008 Enterprise(25 CAL) | 3,999ドル |
Windows Server 2008 Datacenter(1プロセッサあたり) | 2,999ドル |
Windows Server 2008 for Itanium-based Systems(1プロセッサあたり) | 2,999ドル |
Windows Web Server 2008 | 469ドル |
Windows Server 2008 Standard without Hyper-V(5 CAL) | 971ドル |
Windows Server 2008 Enterprise without Hyper-V(25 CAL) | 3,971ドル |
Windows Server 2008 Datacenter without Hyper-V(1プロセッサあたり) | 2,971ドル |
Hyper-V | 28ドル |
Microsoftでは今回の発表に合わせ、「Server Virtualization Validation Program」の提供を発表している。これはベンダの仮想化ソリューションの検証を行い、ここで認証されたソリューションに関して、ユーザー向けの技術サポートを提供するものとなる。このほか、関連技術ドキュメントやツールをまとめた「Microsoft Virtualization Solution Accelerators」も用意される。このほかMicrosoftでは管理ツールの「System Center Configuration Manager 2007」「System Center Data Protection Manager 2007」「System Center Virtual Machine Manager 2007」の同日付けでの提供開始も発表している。