米IBMは12日(現地時間)、カナダ企業でBIソリューション大手のCognosの買収で合意したと発表した。Cognosはカナダのオンタリオ州オタワを拠点にする未公開企業。Cognos株1つあたり58ドル(USD)のキャッシュが割り当てられ、買収総額は約50億ドルとなる。株主や関連機関の承認の後、2008年第1四半期にも買収が完了する見込み。IBMによれば今回の買収は同社のInformation on Demand戦略強化の一環であり、同戦略に関する23番目の買収になるという。
「顧客はリアルタイムでの意志決定のために個別のピースではなく、完成された1つのソリューションを欲している。IBMは何十年にもわたってBusiness Intelligence(BI)ソリューションを提供してきており、データウェアハウスから情報統合、分析まで、Cognosと共同でBIとPerformance Management分野に向けたよいポジションを築くことができるだろう」と米IBMソフトウェア部門長でシニアバイスプレジデントのSteve Mills氏はコメントしている。IBMによれば、CognosのソリューションはSOAに対応し、長年のヘテロジニアスな環境での実績がIBMの戦略と合致するという。両社の強みを合わせ、大規模環境からSMB、さまざまな業種をまたいだソリューションを充実させ、従来よりもリーチを広げていくのが狙いとなる。
今回のIBMによるCognos買収は、2007年3月のOracleによるHyperion買収、10月のSAPによるBusiness Objects(BO)買収という、大手ベンダによる一連のBI企業買収劇の最新の動きとなる。これにより、SASを除けば著名な大手BI企業はほぼ業界最大手のソフトウェア企業に統合されたことになり、9カ月弱の間に一気にBI業界の再編が進んだことを意味する。