セカンドライフ(Second Life)でお小遣いを稼いで現実の世界で使う。セカンドライフに対して、そんなイメージを持っている人は多いと思います。でも今回は、お小遣い稼ぎの方法は置いておき、セカンドライフ内の通貨である"リンデンドル(L$)"を入手したあとの話をしましょう。つまり、"リンデンドルを日本円に換える"手順です。

オーソドックスな方法としては次のような手順になります。

  1. セカンドライフのユーザー専用ページでリンデンドルをUSドルに変換
  2. USドルを「PayPal」の口座に送金
  3. PayPalからUSドルを円に変換して日本の銀行に送金する

筆者は上記の方法で、16,000リンデンドルを日本円に換えてみたのですが、こんなふうな結果になりました。

(1) 16,000リンデンドル → 56.45USドル(セカンドライフ)
(セカンドライフのユーザー専用ページで変換)

(2) 56.45USドル(セカンドライフ) → 54.45USドル(PayPal)
(セカンドライフからPayPalに2回※の送金を行なったので手数料として2ドルが引かれる)

(3) 54.45USドル(PayPal) → 5,802円(日本の銀行)
(1ドル=114円でPayPalから日本の銀行へ振り込んだときの、手数料を差し引いた推定値)

※PayPalに2回送金したワケ:最初10ドルだけ送金したのですが、手数料を引いた9ドルだけでは日本の銀行口座に振り込めないことに気付きましてもう1回……。

土日もつぶしてカスタムオーダーを作って稼いだ16,000リンデンドルが、5,802円になっちゃいました。手数料ってかかるもんです。以下、各ステップに若干の説明を加えておきます。

リンデンドルからUSドルへ

リンデンドルをUSドルにするには、個人ページの左側の「Linden Dollar Exchange」で行ないます

リンデンドルからUSドルへ変換するには、セカンドライフにクレジットカードを登録しておく必要があります。もしも、クレジットカード情報を登録せずにセカンドライフを開始し、何かの拍子にお小遣いを稼げたのでリアルワールドのお金に換金しようと思ったら、まずはクレジットカードの情報を登録しましょう。

クレジットカード情報の登録は、セカンドライフのホームページで行なえます。トップページ右上の「Resident Login」を選び、セカンドライフでの名前やIDを入力してユーザー専用ページにアクセスします。

リンデンドルの売買も、この専用ページで行ないます。画面左の「Linden Dollar Exchange」の各タブを開くと次ような項目が出てきます。

Buy L$
クレジットカードでリンデンドルを購入するときに使います。

Sell L$
リンデンドルをUSドルに交換するときに使います。

Market Data
リンデンドルとUSドルとの為替レートを確認できます。ここ数カ月は1USドル=270リンデンドル弱で安定した取り引きが行われているようです。

Transaction History
リンデンドル⇔USドルの換金に関する過去1カ月間の履歴が表示されます。

Fees
手数料に関する説明です。現在は、USドルでリンデンドルを購入する場合は0.3%、リンデンドルをUSドルに換金する場合は3.5%です。

Billing and Trading Limits
セカンドライフではユーザーの参加期間(クレジットカード情報を登録してからの期間)によって、売買できるリンデンドルの上限が決まっています。ここでは、各ユーザーの売買の上限が示されます。たとえば、クレジットカード情報を登録していないユーザについては、オフィシャルサイトを通じてリンデンドルをUSドルに変換することはできないのでゼロです。クレジットカードを登録している場合でも、初日に購入できる上限は10USドルです。1カ月経てば、上限は5,000USドルとなります。

ところで、「Billing and Trading Limits」で示される購入可能なリンデンドルの上限として、「Buy」と「Purchase」という項目があります。Buyはクレジットカードでリンデンラボから購入できる金額で、Purchaseはそれ以外の方法(PayPalなど)で購入できる金額のようです。

リンデンドルをUSドルに交換するときは「Sell L$」を開き、交換したいリンデンドルの金額を入力します。オプションを選択すると、売りたい為替レートを指定して"売り時"を待つこともできます。

USドルから「PayPal」へ

PayPalの口座への送金は、ユーザー専用ページの「Process Credit」で行ないます

セカンドライフのユーザー専用ページで換金して手に入れたUSドルは、たとえば、プレミアム会員に登録したときの会員費などに使うことができます。でも、それはセカンドライフ内でのことなので使い方が限られています。

セカンドライフ内で換金したUSドルを、他のショッピングサイトでも使えるUSドルにする方法として、運営会社のLinden Labでは3つの方法を用意しています。日本のユーザーが小額をUSドルに両替するならPayPalが唯一の方法といっていいでしょう。

PayPalを利用するには、まずPayPalにアカウントを作ります。その後に、セカンドライフのユーザー専用ページ「Process Credit」からPayPalにUSドルを送金します。手数料は、送金額に関わらず1回につき1USドルです。

PayPalでUSドルを日本の銀行の口座に振り込む

PayPalでUSドルを円に両替し、日本の銀行の口座に振り込みます。10USドル以下だと銀行に振り込めません。外貨換算の手数料が2.5%で、振り込み額が50,000円以上だと手数料は無料、49,999円以下だと250円の手数料がかかります。

なお、PayPalで受け取れる月の上限額は、無料でアカウントを取得したままだと500USドルですが、認証手続きをすると制限はなくなります。

最初の例で、54.45USドル(PayPal)が5,802円(日本の銀行)としているのは、1ドル=114円でPayPalから日本の銀行へ振り込んだとき、2.5%の換算手数料と振込手数料250円を差し引いた金額です。

USドルでお買い物するほうが賢い?

PayPalで送金できるショッピングサイトはけっこうあります

為替レートのみの計算で、100リンデンドルはだいたい50円弱といったところです。この数字は、セカンドライフに関する各情報サイトでもよく見かけると思います。でも、いざ本当に日本円に換えるとなると、あれこれと手数料をとられて、16,000リンデンドルが8,000円というわけにもいかず、なんだか6,000円にもなりそうにありません。しかも、ここ数カ月はけっこうな円高傾向ということもあり、筆者としてはUSドルのまま持っているほうがよいと思っています……。

むしろ今は、USドルのままでお買い物をすることを考えています。PayPalで支払えるショッピングサイトがちょこちょこあるからです。手始めに5USドルのみですが、お世話になってるフリーソフトの「NeoOffice」にドネーションして、すっかりいい人になった気分を味わわさせていただいています。

16,000リンデンドルが6,000円。わたしの時給は12リンデンドル……。ぶつぶつぶつ……