五十嵐光喜氏

マイクロソフトは8日、東京・グランドハイアットにおいて"Microsoft Partner Conference 2007"を開催。ビジネスパートナーを対象に、Windows Server 2008、SQL Server 2008、Visual Studio 2008の製品概要や販売支援策などについて説明した。

マイクロソフトのサーバプラットフォームビジネス本部 業務執行役本部長 五十嵐光喜氏は、「Windows Server 2008は、Bata3、RC0日本語版を10月末までに10万9,838コピーを配布し、テクニカルトレーニングに5,151名が参加している。さらに、213社が271の対応アプリケーションを開発中で、早期導入プログラムには17社が参加しており、Windows Server 2003よりも早い立ち上がりになっている」としたほか、「SQL Server 2008は、早期導入プログラムに10社が参加し、最新CTPがまもなくリリースでする。また、Visual Studio 2008は、11月中に英語版の開発を完了。Beta2日本語版は、8万コピーを配布し、対応アプリケーションとして49社67製品が開発中である」と、来年4月の発売を前にした現在の状況を語った。

新製品ローンチのテーマは「HERO」

主要製品群のリリーススケジュール

Windows Server 2008

Windows Server 2008については、日本におけるSIパートナー向けの施策として、"Windows Server 2008 Readyプログラム"を開始することを発表。"Advanced Infrastructureコンピテンシー"を取得したパートナーを対象に、販売に必要なソリューションおよび基礎的な技術の知識習得を含むセールストレーニングを行う「ビジネストレーニング」、新機能の技術習得、新たな資格に対応したエンジニア向けのトレーニングを提供する「エンジニア育成」のほか、早期案件の共同発掘をはじめとする「共同販促活動」などを実施する。

新資格として、"Micro Certified Technology Specialist"を日本で開始。年内に試験を開始することも明らかにした。

SIパートナー向けの施策

エンジニア向けのトレーニング

また、ISVパートナー向けには、パートナー各社のソリューションを新製品に対応できるための技術情報の提供や教育を行う「マイクロソフトイノベートオンプログラム」、第3者機関によるテスト環境を提供する「Certified for Windows Server 2008」、自己テストによって対応製品であることを証明する「Work for Windows Server 2008」のほか、Windows Server 2008検証用のItaniumサーバの無償提供プログラムを実施する。

Windows Server 2008では、RC1日本語版を11月に提供するほか、2008年第1四半期にRTMを提供する予定。「RTMから開発を進めるのではなく、RTMの段階で最終製品版の確認と、アプリケーションとサービス対応の最終確認を終え、4月15日のローンチに向けた準備を整えてほしい」(マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部部長 吉川顕太郎氏)とパートナーに呼びかけた。

また、エディションを紹介するとともに、近いうちにライセンス体系を発表することを明らかにし、「Windows Server 2003とあまり差がない体系になると考えられる」とした。

ISVパートナー向け施策

マイルストーンとスケジュール

Windows Server 2008のエディションとライセンス

Windows Server 2008製品メッセージングフレームワーク

SQL Server 2008

SQL Server 2008では、SQL Server 7.0、同2000からのアップグレードを支援する「SQL Server Up-to-Dateキャンペーン」を実施。「SQL Server 2005のみならず、SQL Server 2008の利用も見据えた移行計画を提供できるもの。ソフトウェアアシュアランスとの同時購入に限り、ライセンス価格を、一律25%の割り引きくことも行う」とした。また、競合他社のテータベースやBIプラットフォームからの移行に限り、最大50%を割り引くキャンペーンを、来年6月までの期間限定キャンペーンとして実施していることを紹介した。

SQL Server 2008のアップデートキャンペーン

競合他社からの乗り換えキャンペーン

ISVパートナー向けには、「INNOVATE ON」として、マイクロソフトパートナープログラムに参加しているISVを対象に、各種技術情報の提供、セミナー、トレーニングを実施するほか、ロゴテストの合格支援の提供、マーケティング支援などを行う。

さらに、ORACLE MASTER資格取得をリクルートするキャンペーンを実施。無料で1日から3日間の期間で、SQL Server 2005をエンジニア育成し、「SQL Server 2005のビジネス機会を増やし、SQL Server 2008の普及に向けた礎を、いまの段階から構築してほしい。それがビジネスの拡大につながる」(サーバープラットフォームビジネス本部Application Platform製品部 部長 野田良平氏)と、パートナーの早期取り組みの必要性を強調した。

SQL Server 2008エンジニアの支援プログラム

ORACLE MASTERリクルートキャンペーン

Visual Studio 2008

Visual Studio 2008に関しては、「2007年のWindowsVistaで始まったプラットフォームの新たな波における、最後の波の始まり」(マイクロソフト テベロッパービジネス本部 市橋暢哉業務執行役員本部長)と位置づけ、「プラットフォームのパワーを最大限に活用しアプリケーションを実現できる開発環境」とした。

また"Visual Studio 2008早期導入キャンペーン"を用意。「Visual Studio Professional with MSDN Premium」および「Visual Studio Professional with MSDN Professional」において、サブスクリプションの有効期限が切れたあとでもソフトウェアシュアランス価格だけで購入できるようにする。

さらに"Virtual Lab"の名称で、オンラインによる開発者に対する技術支援や、情報交換のためのフォーラムであるMSDNフォーラムの提供や、エバンジェリストが講師となって、パートナーのものとに出向いて情報を提供する支援策などを提供する考えだ。

「Visual Studio 2008は他社に勝つための武器となるツール。いち早く導入していただき、市場で勝っていただきたい」とした。

Visual Studion 2008早期導入キャンペーン

Visual Studion 2008導入支援

五十嵐光喜業務執行役は、「2008年4月15日に、Industry Launchを行い、この時点で業界全体が"Ready"状態となっていることを目指したい。ハードウェアがReadyであり、アプリケーションがReadyであり、エンジニアがReadyであることを目指す。次世代のインフラストラクチャを担うこれら3製品の出荷を通じて、Windowsベースのビジネスを拡大してもらうチャンスをパートナーにもたらす。マイクロソフトは(顧客に)プラットフォームを提供する。顧客をいち早く新プラットフォームに移行してもらうことで、すべてのビジネスパートナーがHEROになる施策を用意する。発売日に向けてモメンタムを作りたい」と締めくくった。