米Facebook CEOのMark Zuckerberg氏

米ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手のFacebookは、同社のSNSプラットフォームをフル活用できる新たな広告システム「Facebook Ads」を発表した。米国ニューヨークで開催されたFacebook Social Advertising Eventにおいて、同社CEOのMark Zuckerberg氏が自ら基調講演にてアナウンスし、すでにFacebook Adsを用いた各社の広告展開もスタートさせている。

Facebook Adsにより、各企業はSNSのプロフィールページをFacebook上に作成。写真、音楽、動画に加え、サードパーティーによって開発された「Facebook Platform」対応アプリケーションなどを駆使した魅力あふれるページに仕上げることで、Facebook内の多くのユーザーからの訪問獲得が目指されるという。

こうした企業の提供するページを訪れたFacebookユーザーは、その情報を「Mini-Feed」や「News Feed」などの機能を利用して、次々と友人に知らせることが可能。また、同時に発表された「Facebook Beacon」サービスにより、Facebookの外部で訪れたサイト上の情報であっても、Facebook上の友人へ、ワンクリックで伝えられるようだ。広告を提供した各企業は、どのようなユーザー層に広告がヒットしているのかなどのデータを詳細に入手できるものの、企業側にユーザー個人を特定できないように、プライバシー保護には十分な配慮が払われているとされる。

すでに各企業が立ち上げたページ数は10万を超えており、今後も各社から、続々と楽しいアプリケーションやページが用意される予定。Zuckerberg氏は「これまで何百年も、メディアは一方的に人々へ情報を配信してきた。しかしながら、いまや広告であったとしても、人々が日頃楽しむ会話の一部として広まる時代がやってきた」と語った。

SNS上での友人との楽しいコミュニケーションの場に、様々な広告が顔を見せ、商売を持ち込まれるのでは…との懸念があるかもしれないが、実際に立ち上げられたページを見ればその心配も薄らぐだろう。例えば、Coca-Colaは、各ユーザーが自分のページ上へ「Sprite Sips」というマスコットキャラクターをダウンロードできる仕掛けを用意。スプライトのボトル缶に記載されたPINコードを入力すればするほど、キャラクターが成長していくという。

また、Blockbusterは、対応アプリケーション「Movie Clique」を提供しており、Facebookの自分のページから、好みの映画をダイレクトに検索してレンタルできるほか、各種プロモーションの最新情報がリアルタイムに流れてくるとされている。さらに、Facebook Beaconの一例としては、Fandangoのサイト上で映画予約を行うと、そのままFacebook上の友人に映画について語れるサービスなどが挙げられる。

Facebookの画面