米Microsoftは11月6日(現地時間)、エンタープライズ用途向け検索サーバソフトウェアの「Microsoft Search Server 2008 Express」を発表した。エンタープライズ検索ソフトウェアは、社内のネットワーク上に存在する文書ファイル群をインデックス化することで検索処理を高速化、効率のよい管理システムを提供する。ソフトウェアは無償ダウンロード可能なExpress版となっているが、無料バージョンに特有の検索可能なファイル数の上限などは特に定められておらず、サーバのパフォーマンスの許す範囲で無制限に利用できる。
今回発表されたのは、同社の検索サーバソフトウェア「Microsoft Search Server 2008」の無料バージョンにあたるExpress Editionで、ソフトウェアのコア部分は共通化されている。そのため小規模環境向けの簡易版ながら、Search Server 2008で提供されている他のコンテンツ管理製品へのコネクタ類がそのまま流用できるのが特徴。Microsoftではこのほかにコンテンツ・リポジトリとして「Microsoft Office SharePoint Server 2007」を提供しており、Search Serverとの組み合わせで社内のシステムを横断したコンテンツ管理システムを構築することが可能だ。同社では「Express版の提供は中小から大規模までさまざまなシステムニーズに対応し、成長に合わせてスケールできる環境を提供するもの」と述べており、製品ラインナップ拡充の一環だと説明する。
Express版は同社Enterprise Searchのページからダウンロードできる。今回のように中小規模環境向けにエンタープライズ検索ソフトウェアの無償版を提供するケースとしては、IBMのOmniFindが挙げられる。IBMは2006年12月にOmniFindとYahoo!検索を組み合わせたSMB向けの検索スイート「IBM OmniFind Yahoo! Edition」を発表している。
またMicrosoftでは同日、Express版の提供に続き、Search Server本体の機能拡張についての発表も行っている。1つは、EMCのDocumemtumとIBMのFileNetへのコネクタ提供を2008年初旬にも行い、これらコンテンツ管理システム内のドキュメントのインデックス化を可能にするというもの。もう1つはメタサーチのための検索フレームワークであるOpenSearchのサポート。同標準に対応を表明している他の検索システムやコンテンツ管理システムとの連携が容易になった。