携帯電話向けOSベンダーの英Symbianは6日(現地時間)、2007年第3四半期(7-9月)の業績報告書を発表した。Symbian OSを搭載したスマートフォンの出荷台数は2,040万台、前年同期比で56%増となった。累計出荷台数は1億6,500万台に達した。

OSのライセンシーは8社で、前年同期の10社から減少。現在、Symbian OSを搭載したスマートフォンは134機種あり、これまでに202機種が製造されている。現時点でライセンシー8社がSymbian OSを搭載したモデル65機種を開発中という。Symbian OSに対応したサードパーティ開発アプリケーションの数は8,314種。この数は前年同期比で36%増加しているという。

売上高は、OSのロイヤルティが4,820万ポンド(約115億2,243万円)で、コンサルティングサービスが270万ポンド(約6億4,544万円)。同社はボリュームを狙ってライセンス料金体系を改定しており、1台あたりのロイヤルティは4.8ドル。前年同期の5.2ドルから減少した。

第3四半期はNTTドコモのFOMA端末として、「FOMA SH704i」「FOMA F704i」などが出荷されたほか、英Sony Ericssonの「Sony Ericsson P1i」、韓国LG電子の「LG KS10」などが販売開始となった。第4四半期には、Nokiaの「Nokia N95 8GB」「Nokia E51」などの端末が出荷される見込みという。

Symbian CEOのNigel Clifford氏。「今後もSymbianは成長市場であるスマートフォン分野をリードし、競争に勝つだろう」とコメント

端末ベンダーの動きとしては、世界3位の韓国Samsungが10月、オープン戦略としてSymbian OSを強力にサポートしていくことを表明しており、同社初のGPS内蔵ナビゲーション端末「Samsung i560」などを発表している。また、2位の米MotorolaがSymbian OS向けUIを開発するUIQ Technologyに資本参加、今後Symbian/UIQをベースとしたスマートフォンの開発を強化することが予想されている。

地域別には、NTTドコモのFOMA端末に占めるSymbian OSの比率が50%から65%に増加するなど、引き続き日本市場で好調だ。現在、富士通、三菱、シャープなどの携帯電話メーカーがSymbian OS搭載端末を開発している。Symbianはまた、中国・北京に研究開発センターを立ち上げるなど中国市場に強化していくことも発表している。