商店街、そして観光産業の活性化をめざして
小諸市関係者が協同で立ち上げた地図情報サイト「こもナビ」。地図情報部分にはGoogle Mapsが使用されている |
小諸商工会議所、小諸市観光協会、コミュニティテレビこもろ、関西マルチメディアサービス、アットネットホームは、11月1日より小諸市の映像を多数含む地図情報サイト「こもナビ」を公開した。
こもナビは、各団体の連携により、インターネット上に小諸市の観光、グルメ、名産、商店街など200本以上(予定)の映像を含むエリア地図を構築し、小諸市の魅力を市の内外にPRする地域特化型サービス。200本もの映像と連動した本格的特定エリア地図の提供は、国内初の試みとなる。コミュニティテレビこもろを中心に、地域一丸となり小諸市の商店街活性化と観光の活性化を目指す予定だ。
小諸市では、近隣市での大型商業施設のオープンや、長野新幹線開通後に特急が停車しなくなったことにより、地元商店街の売上や観光客数に影響が出ている。一方、ケーブルテレビ局は従来より地域密着性の高い放送/通信サービスを提供してきており、コミュニティテレビこもろの多チャンネル放送サービス加入率は全世帯の50%を超えている。このコミュニティテレビこもろの持つ地域に密着した映像を、インターネットを利用して市の内外に向けて発信し、地域振興につなげられるよう企画されたのがこもナビだ。
小諸市民にも、全国のユーザーにも利用可能なサイトへ
サイトはあらゆる人が利用できるよう開放されており、主なユーザーとして小諸市民と全国のインターネットユーザーを想定している。
小諸商工会議所専務理事 土屋守氏 |
地元に住む小諸市民に対しては、映像による地元商店街のPRを行い、商店街への集客への貢献を目指す。小諸駅前商店街にあるコミュニティテレビこもろのアンテナショップ「マルチメディアほっとステーション HAL」を基点に、商店街と連動し日々の特売情報などの映像を配信するほか、モバイルクーポン券などの活用により毎日新鮮なお得情報を伝えていく。また、今後小諸市内の防災/避難場所をマップ上に表記し、もしもの時にはケータイで場所をチェックしながら避難できるようにし、市民の防災もサポートしていく予定。
全国のインターネットユーザーに対しては、小諸市への観光客の誘致を図る。冬はスキー場として、夏場はハイキング場としてにぎわう浅間山、富士山・八ヶ岳・北アルプスを一望できる高峰高原、鮎釣りの穴場としても知られる千曲川、日本有数の高級ワインを製造している小諸ワイナリー、NHKドラマ「風林火山」の主人公山本勘助ゆかりの小諸城趾「懐古園」などの史跡、文豪島崎藤村が詩歌から小説へと創作のスタイルを変えるにあたり影響を与えたと言われる自然あふれる風土などの、小諸市が持つ観光資源を映像で紹介する。インターネットの利用により、「従来の中高年層に加えて、新しく若い年齢層の開拓を狙う」(小諸商工会議所専務理事 土屋守氏)。
将来への布石
また、小諸市は環境に優しく、無理をしないで続けられるライフスタイルを目指すための取り組み「こもろはす」、つまり、豊富な自然エネルギーの活用、自然環境保護、地産地消、食育の推進、薬に頼らない健康作りなどに取り組んでおり、そのアピールも行う。
映像は単に名所旧跡や飲食店などだけを紹介するのではなく、幼稚園などの地元情報も含まれる。地元の人総出で出演したリアルな映像が自慢。また「ごきんじょマップ」には地元の人ならではのリアルな口コミ情報も書き込まれていく予定。口コミ情報を書き込むためには、無料の会員登録が必要となる。今後は、観光名所の前の2次元バーコードでアクセスすると観光ガイドにもなる"ケータイ対応"も予定している。
コミュニティテレビこもろ 代表取締役 伊藤光春氏 |
広告としては、ローカルの広告などを想定している。今後トラフィックをはじき出して、広告効果をはかりながら、販売に結びつけていく予定。映像を提供しているコミュニティテレビこもろの代表取締役 伊藤光春氏は、「直截な自社へのメリットは考えず、小諸の活性化に役立ちたい」と語る。まず小諸全体の底上げにより、結果的な会員制導入につながることを期待する。今眠っている映像素材を利用しているので運営料金はミニマムで済むとし、新たに映像を増やしていく際にかかる人件費などのコストは当面はコミュニティテレビこもろが持つことになる。
映像はケーブルテレビ局のコミュニティテレビこもろが、コミュニティチャンネルの番組で制作した素材のアーカイブを元に掲載される。映像のアーカイブ化およびWebへのアップロードはアットネットホームの映像管理システムを活用し、コミュニティテレビこもろが行う。地図情報システムは関西マルチメディアサービスより提供中のサービス「ごきんじょマップ」を活用する。小諸市商工会議所と小諸市観光協会は取材や企画/協力部分を担当する。