グーグルは30日、地理関係プロダクト(以下、Google GEO)に関する記者発表会を開催し、Google MapsやGoogle Earthといったプロダクトの最新動向や新たに加わるサービスなどを紹介した。Googleでは、「世界中の情報を整理して、世界中の人がアクセスできて、使えるようにすること」を最終的な目標と定めている。
Google プロダクトマネージャー 河合敬一氏 |
同社でプロダクトマネージャを務める河合敬一氏によれば、Google GEOは「世界で最も広範囲で役に立つ世界地図をネット上につくること」によって、その目標を"地理的に"実現するためのものだという。
ただし、同社のスタイルは全ての作業を独自に行おうというものではない。Googleが提供しようとしているのはサービスのベースとなる世界一のマップと、その上でコンテンツを作成するための強力なツールだ。Googleの関係者だけでなく、地域の専門家が独自のコンテンツを作り、公開できるようにすることで、情報の規模と精度を上げていこうというのである。ここで言う「地域の専門家」とは、例えばある地域(自分の地元など)に詳しい一般のユーザも含まれる。
1 世界で一番のベースマップを作る
まず、この「世界一のベースマップを作る」という点に対して日々開発が進められているのがお馴染みの「Google Maps」および「Google Earth」だ。Google Mapsでは現在150ヵ国以上のストリートレベルの地図を提供しており、実に地球上の陸地の約30%、人口の約50%をカバーしているという。またGoogle Mapsでは衛星写真および航空写真も公開されているが、これについては日々、最新の写真へのアップデートが行われているそうである。
Google Maps関連ではすでに様々なサービスが展開されているが、その中でも今年5月にリリースされて話題を集めたのが「ストリートビュー」だ。これは街角の風景をパノラマ写真で提供するサービスで、米国の主要5都市でスタートして現在は15都市をカバーしているという。
Google Earthでは8月22日に宇宙を見渡す「Sky」ビュー機能が追加された。SkyはGoogle Earth上のある地点から宇宙を眺めた天体マップを表示する機能で、星や星座、星雲、銀河などの情報レイヤーも備えている。また宇宙望遠鏡による高解像度画像を、天体望遠鏡で眺めるかのように楽しむこともできる。
今月11日には、YouTube動画にタグ付けされた地名情報を基にGoogle Earth上に動画を配置するYouTubeレイヤーが追加されている。このように、地理コンテンツの基盤となるベースマップは日々進化しているのだ。