教育現場におけるICT(Information and Communication Technology、情報コミュニケーション技術)活用のノウハウや研究結果を披露する国際会議「Worldwide Innovative Teachers ForumならびにSchool of the Future World Summit 2007」が27日(現地時間)から6日間、ヘルシンキ(フィンランド)で開催されている。主催はマイクロソフト。
Worldwide Innovative Teachers Forum(ITF)は、50カ国以上からK-12(高校卒業までの教育期間)を担当する教員が参加、各国で実践しているICT教育プロジェクトや最新の学習プログラム、経験などを紹介、共有することを目的としている。紹介されるプロジェクトはいずれも各国の予選を通過したもので、本会議ではコンテストによる審査が行われる。昨年の開催では、日本から参加した兵庫県立教育研修所の納谷淑恵氏がコミュニティ賞で2位に選ばれている。今回は日本からは茨城県の教育関係者が参加する。
世界各国の政府や教育機関の研究者などが参加するSchool of the Future(SOF) World Summit 2007では、教育分野でICTが果たす役割や可能性、教員スキルの向上など次世代の教育環境について話し合われる。プログラムでは開催国フィンランドの小学校の授業も公開予定。同国は教育先進国で知られており、参加者の注目を集めている。
マイクロソフトは世界各国で教育機関向けのICTソリューションを提供しており、本会議も教育支援プロジェクトの一環。日本では茨城県や和歌山市などの自治体と共同プロジェクトを発足し、ICT機器の導入や教員養成も積極的に行っているほか、2006年6月より、独立行政法人メディア教育開発センター(NIME)と共同で「NEXTプロジェクト」を展開中だ。次世代の教育現場モデルを構築する実証研究として、海陽学園など4校をモデル校に最先端のICTを投入。ひとり一台のPCや無線LAN環境をいかし、ICTを活用した授業による学力向上サポート、校務の効率化、保護者や地域との連携を進めている。本会議では、NEXTプロジェクトの取り組みや成果についても報告される予定だ。