中国で「HiPiHi世界」「天工造物」などの3D仮想空間プラットフォームを運営するHiPiHiはこのほど、仮想空間に特化してマーケティングや代理店事業を行う米Millions of Usと正式にグローバル・パートナーシップを締結した。HiPiHiは今後、Millions of Usと共同で市場を開拓し、グローバル戦略を本格化する。

HiPiHiの仮想空間の一つである「天工造物」は、米Linden Labが運営する「セカンドライフ」の中国語版であると評価されているが、「セカンドライフ」と異なり、中国ではバーチャル貨幣と人民元との取引が認められていないため、仮想世界でも決済には人民元が使われている。

HiPiHiとMillions of Usの提携により、「天工造物」「HiPiHi世界」「海皮士楽園」などのHiPiHiのコンテンツの充実を図るとともに、ブランド戦略にも焦点を絞って協力する。

Millions of Usは自社の顧客リソースと、マーケティングや運営面での豊富な経験を活かし、HiPiHiの各種プラットフォームが、より国際的なものになるよう支援していく。

HiPiHiは現在、全社的にグローバル戦略を展開しようとしている。Microsoft、IBM、Intel、NVIDIAなど、ソフトウェア業界や通信業界の大手企業と緊密に接触し、PCハードウェアとソフトウェアを一体化させた3Dバーチャル世界の規格策定に関わることを目指している。

セカンドライフを含む世界の主な仮想空間プラットフォームとの連携が成功すれば、同空間における共通規格が生まれる可能性もある。そうなれば、ユーザーが異なる仮想空間同士を自由に往来できるようになるかもしれない。現在、HiPiHiは、日本やシンガポールでも仮想空間プラットフォームの立ち上げ準備を進めており、日本での事業展開は2007年末に発表される予定だ。

今回の提携合意について、HiPiHiの創業者兼CEOの許暉氏は、「Millions of Usは国際的ブランド。彼らの豊富な経験と成功体験を弊社の国際戦略に活かしたい」と述べた。 Millions of Us CEO Reuben Steiger氏は、「我々は世界最先端のバーチャルワールドサービスサプライヤーになるために努力している。中国市場は言うまでもなく重要な市場だ」と語った。