米Amazon.comは23日(現地時間)、2007年第3四半期(7-9月期)決算を発表した。同四半期の売上は32億6000万ドルで、前年同期比41%アップとなる。ハリーポッター最新刊などのヒット商品や各国でオープンした新店舗やサービスが好調なこともあり、日米欧中の主要国で40%を超える売上増を達成できた。特に注目すべきは純利益で、前年同期比313%増の8億ドルに達し、1年でおよそ4倍規模にまで急拡大している。

「顧客はわれわれの提供する低価格やフリーシッピングサービス、Amazon Prime(有料会員サービスで送料が無料になる)のメリットに呼応し続けている。増え続ける製品ラインナップとともに、多くの異なる製品カテゴリを横断する豊富な製品ラインナップとサービスを享受している。われわれの観点でいえば、顧客第一主義が株主らにとっての恒久的な利益創造につながる唯一の道だと考えている」と米Amazon.com CEOのJeff Bezos氏は述べ、製品ラインの拡充とサービスの提供がビジネスの拡大につながっていると説明する。

同四半期のハイライトとしては、前述のようにハリーポッター最新刊にして最終刊の「Harry Potter and the Deathly Hallows」が登場したことが大きい。同社によれば今期最大の目玉商品であり、世界中で250万冊を販売したという。また、スタート直後で大きなビジネスには結びついてはいないものの、同四半期にはDRMフリーの楽曲を販売する「Amazon MP3」のベータ版がスタートしている。18万人のアーティストの楽曲200万以上を揃えた一大オンラインストアだ。

そのほかのビジネスの概況としては、Amazon Web Services(AWS)の登録者が前四半期から2万5000人増えて29万人以上になったという。AWSでは、システム連携をさらに拡充するためのAmazon Flexible Payments Service(FPS)のベータ版を立ち上げており、より便利なオンラインストアサービスの実現を目指している。またAmazonによれば、ホスティングサービスの一種であるAmazon Simple Storage Service(S3)の利用も急増しており、ストレージスペースの容量が倍増して過去半年間に100億以上ものオブジェクトが保存されていると説明する。

年末のホリデーシーズン商戦を控えた第4四半期決算の見通しは、売上が51~54.5億ドル、運用利益は2億2100万~2億9100万ドルを見込んでいる。前年同期比での成長率は売上が28~37%、運用利益は12~48%の水準になる。