The ECMAScript groupは22日(米国時間)、「ECMAScript 4th Edition Language Overview」の最終ドラフトを公開した。ECMAScript 4th Editionは1999年にスタンダードECMA-262として認可された3rd Editionの次に当たるバージョン。3rd Editionと互換性を保ちながらも言語機能(クラス、インタフェース、名前空間、パッケージ、プログラムユニット、アノテーション、静的型チェックと検証)、スクリプティング(構造型、ダック型、型定義、マルチメソッド)、データ型構築子(パラメータ型、アクセッサメソッド、メタレベルメソッド)、制御アブストラクション、イントロスペクションなどに及ぶ、大幅な機能追加/強化が実施されている。
4th Editionではさらに正規表現とUnicodeのサポートが改善されている。ECMAScript 4th Editionは将来的にそのままJavaScriptに採用されることになるとみられる。既存のJavaScriptデベロッパにとって、ECMAScript 4th Editionをベースとした次期JavaScriptへの移行は重要なポイントとなる。公開された最終ドラフトでは3rd Editionと4th Editionの互換性や新機能についても言及されているため、移行時の参考にされたい。
The ECMAScript groupは、2007年6月ごろに「ECMAScript Edition 4」に関する情報を共有するためのサイト「ECMAScript.org」を立ち上げ、ECMAScript Edition 4参照実装Early Access版を提供してきた。今回最終ドラフトがリリースされたことで、最初の目的達成へ向けて大きく前進したと言えそうだ。参照実装も提供されているため、同実装と併せてJavaScriptデベロッパは注目しておきたい。