中国の科学技術情報サイト「騰訊科技」と中国IT調査大手の易観国際はこのほど、2006年の企業間オンライン取引に関する調査報告書「中国オンラインBtoB電子商取引市場年度総合レポート2007」を発表した。
同レポートによると、2010年までに中国でのBtoBの電子商取引の市場規模は80億元(約1,250億円)に達し、2006年の4倍の規模になると予測している。同社は「企業間の電子商取引は、すでに中国の経済成長の重要な牽引力の1つになっている」との見方を示している。
昨年、中国の企業間の電子商取引市場は急成長を遂げた。年間を通じての取引規模は17億 9,600万元に達し、四半期ごとの平均成長率は24.11%となった。また、市場の規模拡大が企業の電子商取引に対する意識変化を呼び、ユーザー数が拡大する原因ともなった。代金決済、物流といった信用取引インフラの整備も、同取引の発展にとってよりよい環境を整えつつある。
対外貿易の分野が重要な部分を占めていることも特徴だ。取引規模でこそ対内貿易に及ばないものの、2006年の成長率は、対内貿易より1ポイント高い。易観国際は今後、BtoBの電子商取引の対外貿易におけるシェアがさらに拡大すると見ている。
同取引の発展に必要な3要素、すなわち、情報プラットフォーム、電子決済システム、物流システムは、それぞれある程度改善されたといえる。しかし、情報プラットフォームの急速な成長に比べ、BtoB電子商取引における電子決済システムの浸透度はまだ一定の規模に達していない。また、物流システムにも依然として問題点がある。
さらに、BtoB電子商取引プラットフォームは、言うまでもなく買い手と売り手から構成されるため、ユーザーの"資質"が、同取引の発展を支える大前提となる。易観国際は、ユーザーの資質を高め、取引プラットフォームの基盤を固めるためにも、信用管理システムの強化やサプライヤーの選別、無効となる注文情報の識別方式などを強化するよう訴えている。