米Yahoo!は16日(現地時間)、同社2007年第3四半期(7 - 9月期)決算を発表した。検索連動型広告が好調で、同四半期の売上は17億6,800万ドルと前年同期比12%のアップとなった。一方で純利益は前年同期の1億5,900万ドルから1億5,100万ドルへと4.6%減少しており、依然として戦略転換の過渡期にあることがわかる。同社は今年6月にトップが以前のTerry Semel氏から共同創業者の1人であるJerry Yang氏に交代しているが、Yang氏は決算発表の中で今期の実績について「戦略の鮮明化と業務の遂行において進展があった」とコメントしており、今後のステップアップに向けた取り組みが実を結びつつあることを示唆している。
2000年以後、Googleが台頭してくる中で業績不振に陥っていたYahoo!は、前CEOのSemel氏の下で経営の立て直しに成功し、広告収入をベースとした新生インターネット企業として生まれ変わった。だがオンライン広告市場の拡大とともに業績を大幅に伸ばしていくライバルのGoogleに対し、Yahoo!の成長率は広告市場の拡大と比較していまだ低い水準にある。その中で同社が水面下で開発していたのが"Panama"と呼ばれる新広告システムで、従来型のバナー広告依存を脱却し、広告主やサイト訪問者にとってより魅力的な検索連動型広告を提供することで業績のステップアップを図っていた。6月のトップ交代でCEOに就いたYang氏の下、新生Yahoo!は反撃の準備を整えつつある。
「事業の進展において、われわれは今後数年にわたる目標を次の3つに置いている。1つめは "インターネットの多くのユーザーにとっての基点となること"、2つめは "多くの広告主にとって必ず選ばれる存在であること"、3つめは "多くの開発者を引きつけるオープンで業界をリードするプラットフォームを提供すること" だ。変革に立ち向かい、巨大で成長中のインターネット市場でのリーダーの役目を果たすことに注力していく」とYang氏はコメントしている。