米IBMは10月15日(現地時間)、現在米ネバダ州ラスベガスで開催されている年次パートナー会議の「IBM Information on Demand Conference」において、企業の情報戦略を支援する同社のソリューション戦略「Information on Demand」を構成する新製品ラインナップを発表した。DB2/Warehouse、ECMといった既存ソリューションの強化のほか、 データベース・アプリケーションの開発を高速化する「Data Studio」、顧客DBなどのマスターデータを集中管理する「Master Data Management Server」、分散データを集中管理するソリューション「Client Data Management (CDM)」などが新たに追加されている。
Data Studio
開発ツールのIBM Rational Software Delivery Platformと連携して、複数種類のデータソースからなるデータベース・アプリケーションを効率的に開発/配布/管理するための環境を整備するEclipseベースのソフトウェア製品。IBMによれば、Data Studioの利用でこの種のアプリケーションの開発期間を最大50%まで短縮できるという。pureXML向けのXML最適化ツールやSQL/XQuery両対応の統合クエリーツールなどが提供されるほか、高度なプログラミング作業なしでデータベース内のデータをWebサービスとして出力できる機能を持つ。またEclipseベースであるため、プラグイン形式で機能拡張が可能。サポートするデータベースはDB2各バージョンのほか、Informix Dynamic Server。10月31日より無償ダウンロードが開始され、年間サポートサービスのオプションが提供される見込み。
Master Data Management Server
SOA(Service Oriented Architecture)環境で各種マスターデータを集中管理するためのソフトウェア製品。既存のInformation Serverなどとの連携でデータを1つのソースへと統合し、目的に応じた複数のビューを用意することで、企業データ管理の効率化や整合性、目的のデータへのアクセス速度を向上するのが狙い。Master Data Management Serverには、「WebSphere Customer Center」の顧客情報を管理する既存ソフトウェア製品の機能がすべて包含されている。また各業種向けに開発した機能拡張サービスをMaster Data Management Serverと「WebSphere Product Center」用に2008年初旬にも提供する予定。
Client Data Management Solution
異なるシステムや離れた拠点上に分散しているデータを集中管理するためのソリューション。例えば顧客が住所情報を変更した場合など、自社システム内に存在するすべての関連データをリアルタイムで把握し、整合性がとれるような仕組みを提供する。CDMはWebSphere Customer Center、FileNet、WebSphere Message Brokerなどの関連ソフトウェア製品群から構成される。
Content Management 8.4
ECM(Enterprise Content Management)ソフトウェアのIBM FileNet ECM製品の最新版。「IBM Content Manager V 8.4」「IBM Document Manager V 8.4」「IBM Content Manager OnDemand V 8.4」「IBM WebSphere Information Integrator Content Edition (IICE) V 8.4」「IBM CommonStore V 8.4」などの製品群から構成され、主にパフォーマンスやスケーラビリティの強化が行われている。また最新版には「IBM Web Interface for Content Management (WEBi) V1.02」が含まれており、Webブラウザを介してのFileNetデータリポジトリへのアクセスが可能。これにより、より多くのユーザーが容易に統合管理されたデータにアクセスできるようになった。