米IBMは10月15日(現地時間)、現在米ネバダ州ラスベガスで開催されている「IBM Information on Demand Conference」においてRDBMSの新バージョン「DB2 9.5 (開発コード名: Viper 2)」を発表した。パフォーマンス・チューニングのほか、前バージョンからの特徴であるオートノミクス機能が大幅に強化されている。またIBMは同日、DB2 "Viper 2"をベースにしたBIツールの最新版「DB2 Warehouse 9.5」の発表ならびに、同ソフトウェアとハードウェア製品を組み合わせたBIソリューションの「IBM Balanced Warehouse」のラインナップを一新した。

前バージョンにあたるDB2 9.0 "Viper"ではXML/SOA対応が強化されたが、Viper 2ではパフォーマンス面からこの部分がさらに強化されている。IBMによれば、XML関連でのデータ処理のパフォーマンスが200%向上しているほか、圧縮技術の改善でDBサイズの大幅な縮小に成功している。現在Viper 2をベータテストしているユーザーからは、最大500%のストレージ容量圧縮に成功した事例も報告されているという。

また最近、IBMがDB2で力を入れてきた自動処理で管理の省力化を目指したオートノミクス(自律)機能は「エクストリーム・オートノミクス」の名称が与えられ、手作業なしでDBサーバがつねに最適化を行う仕組みが設けられている。ここで提供される機能としては、ILM(Information Life-cycle Management)を意識してデータを自動圧縮する「Automatic Deep Compression」、ワークロードを自動管理する「Autonomic Memory Management」、フェイルオーバーとフェイルバック(バックアップ)の自動化によるダウンタイムやセットアップの省力化が挙げられる。このほか、メインフレームのSystem z版DB2で採用されている暗号化/監査機能も包含しており、コンプライアンス・ソリューションでの機能強化が図られている。

DB2 "Viper 2"の提供は10月31日より全世界で開始され、DB2 9.5 Expressのスタート価格が1プロセッサあたり50.25ドル、または1ユーザーあたり170ドル(最低5ユーザーから)のライセンスで提供される。DB2 9.5 Express-Cは無償ダウンロードで提供され、こちらは年間サポート契約時に1サーバあたり2995ドルの費用が必要になる。