ニワンゴは10日、同社が運営するコメント付き動画共有サイト「ニコニコ動画」のバージョンアップ版「ニコニコ動画(RC2)」のサービス開始にともない、同社取締役管理人の西村博之氏らが出席し説明会を開催した。新サービスは10日18時から開始されている。
西村氏は、ネット上に"生活の場"を創造する「ニコンドライフ構想」を提唱、ニコニコ動画(RC2)へのバージョンアップがその構想を実現するものとした。利益を追求するためのサービスではなく、「楽しさ」や「そこにいたい」と思わせるサービスになるような機能を盛り込んだという。
RC2では、専用スクリプト「NICOScript(ニコスクリプト)」を導入した新しい視聴インタフェースに切り替わる。従来の投稿動画に視聴者がコメントを寄せるスタイルに加え、動画投稿者がコメントや表示タイミングを設定できる「投稿者専用コメント」を追加。同コメントは、視聴者コメントに押されて削除されることがないなどの特徴がある。
また、投稿者専用コメントには、動画に様々な仕掛けを盛り込める特殊コメントも用意。たとえば、画面の一部分のみをマル窓で覗けるようにする「窓」を指定すると、視聴者が「右、上」などのコメント指示で窓を動かせる。このほか、視聴者コメントからアンケート集計を行える「投票」、注目させたい部分をコメントで目立たせる「コメント・アート」、別の動画にシームレスにリンクする「動画ジャンプ」、「サウンド・ノベル」も用意。なお、特殊コメントは18日から実装する予定。投稿者専用コメントのついた動画を閲覧できるユーザーはしばらくはプレミアム会員と投稿者本人のみになるという。
これ以外にも変更点は多い。動画投稿者が投稿コメントに「NGワード置換」を設定したり、特定IDからの書き込みを禁止する「NG ID」を指定したりすることが可能になった。また、視聴インタフェース上部に「ニコニコニュース」エリアを設け、ユーザー向け情報を流していくほか、視聴中のユーザー全員に情報を流す「ニコニコ割り込み(ニコ割)」を導入した。NG設定とニコニコニュースは11月から実装される予定だ。12月中には、ニコスクリプト機能の強化や動画編集機能などを含むサービスパック1の提供も予定しているとのこと。このほか、同サイトが海外からの利用も多いことから、18日より台湾版をスタートする。説明文やカテゴリを繁体字で表記、台湾からのコメントは日本からのものとは別スレッドに表示される。
ニコニコ動画(RC2)の投稿コンテンツを対象にした「国際ニコニコ映画祭」を開催することも発表された。審査委員長はヴィジュアリストの手塚眞氏が務める。また、同サイトにおける著作権保護強化の取り組みとして、吉本興業グループやエイベックス・エンタテインメントなどのコンテンツホルダーから動画配信の提供を受けることも発表された。