日本オラクル 常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏

日本オラクルは10日、エンタープライズコンテンツ管理3製品を同日に出荷すると発表した。Oracleは2006年12月にStellentを買収。文書管理、Webコンテンツ管理、デジタル資産管理、レコード管理、デジタルライツ管理、イメージング、ガバナンスリスクコンプライアンス管理などの分野で高い評価を得ているStellentを買収することで、同社はコンテンツ管理ソリューションポートフォリオを一気に拡充した。今回発表された以下の3製品は買収で獲得したポートフォリオをOracle Fusion Middlewareとして取り込んだものだ。

  • Oracle Universal Content Management 10g Release3
  • Oracle Universal Records Management 10g Release3
  • Oracle Imaging and Process Managament 10g Release3

特に注目される主力製品がUniversal Content Managementだ。企業内の各部門から企業レベルまで全域に渡って適用できる主力のコンテンツ管理製品で、文書管理やWebコンテンツ管理からデジタルアセット管理、コンテンツ使用状況追跡、コンテンツ分類、コンテンツ変換など幅広いコンポーネントが搭載されている。Universal Records ManagementはDoD 5015.2に準拠したレコード管理プロダクト。Imaging and Process Managamentは、手形、証書、送り状など紙文書を電子化し、画像を使用した業務ワークフローシステムを構築するプロダクトだ。

日本のECM市場は小さいが今後伸びる - オラクルは国内業界トップを目指す

Oracleは、Stellentを買収することでエンタープライズコンテンツ管理のポートフォリオを獲得。両社のプロダクトラインを組み合わせて訴求力を高め、同市場において本格的に展開していこうというわけだ。実際に買収後、「同分野における同社の評価は向上している」(日本オラクル 常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏)という。

日本におけるエンタープライズコンテンツ管理の市場は米国のそれと比較すると小規模なものだ。しかも文書管理市場そのものは今後もそれほど成長を期待できない。しかしながら、それに関連するWebコンテンツ管理、イメージング(プロセス連帯)、レコード管理(SOX法施行に伴うトレンド)などの分野は現在成長傾向にある。要するに、単なる文書管理から、プラットフォームとしてのエンタープライズコンテンツ管理へとニーズがシフトしているわけだ。

Stellentのポートフォリオを獲得したOracleの強みは、文書管理、Webコンテンツ管理、デジタルアセット管理などをシングルリポジトリで提供し、しかも高可用性とスケールアウトを提供できることだ。エンタープライズコンテンツ管理は、独立したプロダクトから統合連携されたシステムへと変化してきた。Oracleは、すでにOracle Fusion Middlewareのもと、プロダクトの統合と高可用性、高スケーラビリティを実現している。Oracleの強みとStellentのプロダクトが統合されることで、今後のエンタープライズコンテンツ管理に要求される項目を満たせるというわけだ。

さらに強力なのは、OracleがすでにFusion MiddlewareやOracle Applicationsのもとで提供しているプロダクトをエンタープライズコンテンツ管理ソリューションに追加して活用できる点だ。たとえば、Oracle GRIDをインフラとして、BIにOracle Business Intelligenceを、UIにOracle WebCenterを、セキュリティにOracle Identity Managementを、大容量リポジトリからのデータ検索にSecure Enterprise Searchを使用するといったことが可能になる。これがOracleとそれ以外のベンダの大きな違いだ。

注目すべきはプロダクトの連携機能 - データ形式を意識させないデータリポジトリが提供する強力ソリューション

日本オラクルシステム製品統括本部 営業推進本部Fusion Middleware推進部長 龍野智幸氏

日本オラクル システム製品統括本部 営業推進本部Fusion Middleware推進部長 龍野智幸氏は、実際にUniversal Content Managementを活用したデモンストレーションを披露した。業界で高い評価を得ていたStellentのポートフォリオを活用しているだけあって、コンテンツ管理やWebコンテンツ管理はよくできている。UIの扱いやすさやWeb 2.0機能の統合、各種プロダクトの連携には目を見張るものがあった。

特に注目したいのはプロダクトが連携されており、データ変換を考えなくてもよいことだ。デモンストレーションでは、ニュースリリースとしてMS Wordのドキュメントをリポジトリへ追加し、それがそのままWebコンテンツとしてHTMLに変換されWebコンテンツ管理に組み込まれる様子が示された。シングルリポジトリでデータが保持されているため、こうしたスムーズな連帯が可能になっているわけだ。

Oracle Universal Content Management のログイン画面 - パーソナライズ機能があり自由に表示できる

検索結果一覧

検索した情報をダウンロードする前に内容を確認できる - データを不用意にダウンロードして放置するといったことを防げる

データの属性情報やリポジトリ履歴を表示しているところ(1)

データの属性情報やリポジトリ履歴を表示しているところ(2)

Webコンテンツ管理の場合 - テンプレートに従って表示。多言語に対応している

閲覧から編集までスムーズに実施 - デモでは閲覧しているページの画像を日本語対応のものに入れ替えた

ヘッドラインニュースを追加する

リポジトリにMS Wordのドキュメントを追加し、ヘッドラインのニュースとして設定するだけで、自動的に変換して活用される