サンマイクロシステムズは2007年6月27日から9月10日にかけて、マッシュアップムーブメントの発展と開発者の活躍の場を拡大させるという趣旨のもと、「Mash up Award 3rd」を開催していた。審査基準は独自性、新規性、着眼点、発展可能性などのアイディア面と、実用性、ユーザビリティ、アトラクティビティの完成面とされている。同アワードはリクルートおよびサンマイクロシステムズが共産しているほか、27の企業および団体が協力している。

Mash up Award 3rdでみごと最優秀賞を獲得したのは、地図を中心とした各種情報の検索ができるPC向けサービス「ONGMAP.COM」を開発したオープンアソシエイツ、直鳥裕樹氏だ。ONGMAP.COMはGoogle Mapsに各種Webサービスをマッシュアップしたサービスで、その扱いやすさとマッシュアップの完成度の高さ、情報量の大さ、UIの完成度の高さは目をみはるものがある。

マップに対して各種Webサービスで提供されているロケーション情報をマッシュアップする手法はマッシュアップとしてはよく使われる。ONGMAP.COMではそのUIの完成度の高さと使いやすさが評価できる。

同氏はExtの開発者でもあり、ONGMAP.COMにはExtが活用されている。ExtはJavaScriptで開発されたWebアプリケーションフレームワーク。ほかのフレームワークに依存せずにスタンドアロンで提供されているフレームワークで、軽量高速でしかもデスクトップエクスペリエンスとかなり近い動作を実現しているという特徴がある。最近一気に注目度が高まっているAjax Webアプリケーションフレームワークだ。

ONGMAP.COMの完成度は高い。WebRunnerのようなSSB(Site Specific Browser)と併用した場合、デスクトップアプリケーションと比較しても遜色がないと言っていいだろう。Webアプリケーションを開発する場合にはUIの完成度や実際のロード時間、開発にかかる労力などさまざまな側面を検討しなければならない。その点、ONGMAP.COMはExtの完成度の高さを見るうえでも優れたものだ。

同アワードはほかにも日本の開発者が開発した興味深いマッシュアップアプリケーションが受賞している。Webアプリケーションデベロッパは同アワードにぜひとも注目しておきたい。