韓国最大手のポータルサイト「Naver」を運営するNHNは、同サイトに書き込めるコメントのクリーン機能を強化すると発表した。

Naverには毎日更新される「Naver News」というニュースコーナーがあり、ここに表示される記事の一つひとつにコメントが付けられるようになっている。このコメントの中には、最近の韓国で問題となっている「アクプル("悪"と"Reply"をつなげた造語で、悪質な書き込みという意味)」がかなり多い。

最近では韓国政府の情報通信部が、本人確認をした人のみが書き込みできる、いわゆる「インターネット実名制」を一部Webサイト上で実施しており、ある程度の成果も報告されているが、それでもなおアクプルを書く人は後を絶たない。

NHNではこれに対していくつかの対策を発表した。中でも効果を期待されている対策が「クリック指数」制度だ。クリック指数制度ではまず、全Naver会員に100点が与えられ、ここから書き込み内容によって点数が増加、減少していく。

積極的にコメントを書き続ける人には点数が付与される半面、「Naverの運用原則に反する」(NHN)ようなアクプルを書く人の点数は減点される。クリック指数の最高点は200点、最低点は0点だ。

一方コメントを読む人は「ブラインド」機能を通じて、クリック指数が一定の値以下のコメントが画面上に表示されないように設定することができる。基本設定では50点以下のコメントが非表示になっているが、60点や70点などとブラインド設定を高めたり、あるいはクリック指数に関係なくすべてを表示、非表示したりすることも可能だ。特定IDのコメントだけを表示あるいは非表示、特定の意見に共感あるいは非共感を表現する、共感を多く受けたコメント順に整理するといったこともできる。

このほか自分がこれまで作成したコメントやクリーン指数のヒストリーを個別に確認できる「意見集合箱」を設置したほか、記事を書いた記者がネティズンの意見に直接答えコミュニケーションできる「記者意見」コーナーも設置した。

たとえアクプル対策とはいえ、あまりに厳しい対策をとれば、自由な意見交換を妨害したり、表現の自由を侵害したりすることにもなりかねない。そのためNHNでは、アクプルの表示、非表示を個人で選択できるようにしたり、コメントに共感、非共感を示すことで良いコメントの指標をネティズンの判断に委ねるなど、個人がコメントの質を判断できるようなシステムを設けた。

これらの制度は9日の18時頃からスタートする予定。アクプル減少のための大きな弾みとなるのかどうか、その効力が試される。