米マイクロソフトは、詳細な個人の医療情報をインターネット上で一元管理できる新サービスプラットフォーム「Microsoft HealthVault」の発表を行った。だれでも無料で利用でき、すでに利用登録の受付が開始されている。

個人の医療関連情報を一括管理できる「Microsoft HealthVault」

HealthVaultに登録すると、病院のカルテや診療記録、各種検査データなどの重要個人情報をオンラインの安全なスペースに保存し、いつでも自由に閲覧できるようになる。健康管理に役立てられるほか、公的な医療機関での情報活用も視野に入れられているようだ。また、HealthVault上で利用できる検索ツール「HealthVault Search」により、Live Searchとの統合が行われた高度な検索エンジンを用いて、健康について気がかりなことなどを何でもスムーズに検索できるとされている。HealthVault Searchはカスタマイズ可能なため、使えば使うほど自分の知りたい情報をスピーディに入手できるようになる。

Health Solutions Groupコーポレート・エグゼクティブ、Peter Neupert氏

同社のHealth Solutions Groupコーポレート・エグゼクティブのPeter Neupert氏は、「Microsoft HealthVaultが掲げている目標は非常にシンプルであり、人々が一層健康的な生活を送れるようにサポートするという点に絞られる。自分のプライベートな医療情報を望むままに一元管理できるようになり、医療業界の各企業も、Microsoft HealthVaultプラットフォームにて、対応するツールやサービスを提供できる」とコメントした。

医療関連の情報流出を不安視する声も

医療情報の電子化には、医療の透明性による診療レベルの向上や、各医療機関などで患者の医療情報を共有することによる診療効率のアップなど、数々のメリットもある半面、特にオンラインで情報共有を行うことに関しては、重要な個人情報の漏洩やプライバシーの侵害といった問題点への懸念も大きい。

今回、同社はMicrosoft HealthVaultを立ち上げるにあたって、複数の専門家や医療団体に協力を求め、プライバシー保護とセキュリティ確保に万全を尽くしていると強調。すでに、米国糖尿病協会(American Diabetes Association)、米国肺協会(American Lung Association)、ニューヨーク・プレスビテリアン病院(NewYork-Presbyterian Hospital)、オムロン・ヘルスケア、Diet.com、Eclipsys、HealthMedia、Medical Informatics Engineering(MIE)、LifeScanなど数多くの企業団体が、40以上の多彩な対応サービスの提供を予定していることも明らかにした。