米Microsoftが、アプリケーション実行環境「.NET Framework」のソースコードを公開する。同社開発部門のゼネラルマネージャ職にあるScott Guthrie氏のブログ「Scott Guthrie's blog」で、米国時間の3日に投稿された記事から明らかになったもの。

記事によれば、ソースコードの公開は.NET環境の次期バージョン「.NET 3.5」、およびVisual Studio 2008のリリースにあわせ2007年後半に実施される。公開される内容は.NET Baseクラスライブラリのほか、Windows Forms、ADO.NET、XML、WPF(Windows Presentation Foundation)の関連コンポーネント。WCF(Windows Communication Foundation)やWorkflow、LINQといったライブラリのソースコードも、数カ月内に順次公開されるとのこと。

公開されるソースコードのライセンスには、「Microsoft Reference License」(Ms-RL)が適用される。Ms-RLはMicrosoftのソースコード共有プログラム「Shared Source Initiative」(SSI)の3種あるライセンスのうち、閲覧のみ許可されるというもっとも制限が厳しいもの。

.NETのオープンソースによる再実装を進めるmonoプロジェクトは、Microsoftの判断についておおむね好意的に受けとめているようだ。プロジェクトリーダーのMiguel de Icaza氏は、公式ブログ上で「多くの.NET開発者が新しい開発環境を歓迎し、真の活用が始まるはずだ」とコメントしている。ライセンスにMS-RLが適用されることについては、SunがJavaのソースコードを公開するまでの経過を引き合いに出し、いつかはMicrosoftもより自由度の高いライセンスのもと公開してくれるのでは、と楽観的な考えを示している。