台湾のMediaTekは1日、日本における事業拠点として、日本法人「メディアテックジャパン」を設立し、日本の民生電子機器市場や光学ストレージ事業へ本格参入すると発表した。

日本法人設立について説明するMediaTekの董事長である蔡明介氏

MediaTekは1997年に設立したファブレスの大手半導体メーカで、光学ストレージやDVDといったデジタルメディア製品や、無線通信向けのシステムLSIを手掛けている。また、今年(2007年)3月にはデジタルビデオカメラおよびデジタルスチルカメラ向けの画像処理用LSI「CleanCapture」の開発メーカである米NuCORE Technologyを買収し、さらに今年9月には米Analog Devicesの携帯電話用チップセット「Othello無線」とこれのベースバンドチップセット「SoftFone」の生産ラインを買収している。

MediaTekのM&A活動 - 1997年に設立し、今年3月には米NuCORE Technologyを、9月には米Analog Devicesの携帯電話用チップセットおよびベースバンドチップセットのラインを買収している

MediaTekの日本法人となるメディアテックジャパンでは、営業およびマーケティング業務を行う事務所は新横浜に、R&D(研究開発)センタは秋葉原に開設する。また、同社のジェネラルマネージャには伊藤治氏が就任し、日本市場への本格参入を進める。

伊藤氏は、元NuCORE Technologyの日本担当マネージャで、デジタル民生機器市場においては豊富な経験と実績を有しているという。なお、メディアテックジャパンのR&Dセンタ(秋葉原)は、このNuCORE Technologyから引き継いだものである。

メディアテックジャパンは今後、伊藤氏のリーダーシップの下、「日本でのプレゼンスの向上」、「営業及び顧客サポート体制の拡充」を目標に、日本の顧客との関係のさらなる強化を目指す。また「技術製品ポートフォリオの拡充」を掲げ、GPSデバイス、HDTV、Blu-rayプレイヤなどの民生用電子機器事業、光学ストレージ事業を飛躍的に成長させていくという。また同社は、「日本のエレクトロニクス企業と協働する機会を模索し、強力なパートナーシップを確立することで市場進出を強化していきたい」と豊富を述べている。