米Adobe Systemsは2日、開催中のAdobe MAX 2007 North Americaにおいて、RIA(Rich Internet Application)向けの新開発環境「Thermo(開発コード名)」を発表した。
Thermoは、RIAのUIを作成するうえで必要な「画面デザイン」「イベント発生のタイミングの定義」「イベント発生時のアクション定義」などの作業をグラフィカルな環境で行えるツール。最大の特徴は、psdファイル(Photoshopで作成したアプリケーション)等を取り込み、MXMLファイル(FlexアプリケーションのUI定義ファイル)として出力できる点。デザイナーの製作物をそのままRIA開発に生かせるため、これまでのように「プログラマーがUIデザインをコーディングし直す」といった余計な手間を省くことができる。
UIの"コーディング"は、Photoshop等で作成したコンポーネントのプロパティをグラフィカルな画面で定義するといった方法で進められる。発表時のデモでは、文字列が入ったボックスを選択してプルダウンメニューから"Text Input(入力可能なテキストボックス)"として定義したり、画像データを並べたレイヤを選択してマウスポイント時に拡大表示されるようにプロパティを設定したり、といった方法でMXMLファイルが自動生成される様が示された。
Photoshopで作成されたデザインデータ。右上の「Sample Text」と入力されているボックスを入力可能なテキストフィールドとして定義し、中段の画像レイヤがマウスポイント時に拡大表示されるようアクションが設定された |
画像レイヤに対してアクションの実行タイミングを設定する様子 |
Thermoを使用することで、プログラミングの知識がなくてもRIAのUIを作成できるようになる。CS3を使用するデザイナーをRIA開発に取り込むためのソフトウェアとして今後の開発に大きな期待がかかる。