2007年9月18日から20日に掛けて、サンフランシスコのMoscone Centerで開催されたIntel Developer Forumにおいて、新マイクロアーキテクチャの次世代プロセサであるNehalem(ネヘーレム)がデモされた。今回デモされたチップは、3週間前に完成したばかりの最初のウエハから取られたものとのことで、順調に仕上がっていることを印象づけた。

現在販売されているXeonチップは、65nmプロセスで作られたWoodcrestであるが、これを45nmプロセスに変更し、若干の改良を追加したものがPenrynである。このPenrynは11月12日に発売と発表された。そして、Nehalemは、Penrynと同じ45nmプロセスを使うが、設計を一新した正真正銘の次世代プロセサである。

Nehalemプロセサは、4命令同時発行という点ではCoreアーキと同じであるが、コアあたり2スレッドを並列に実行するSMT(Simultaneous Multi-Threading)をサポートする。従来、Intelは、このマルチスレッド機能をHyper Threadingと呼んでいたが、何故か今回は学会/業界標準のSMTに用語をあわせている。

また、NehalemではPenrynで新設されたSSE4をさらに強化し、SSE4.2として1命令で256個の比較を実行する命令(256方向分岐命令?)、Popcount命令(1語の中の"1"のビットの数を数える)やCRC32命令(32ビットのCyclic Redundancy Checkビットを計算する)を含め、ストリームやテキスト処理用の命令を追加しているという。なお、AMDは先ごろSSE5の命令仕様を発表したが、Intel Senior Vice PresidentのPatrick P. Gelsinger氏の談話では、Intelはこれに追従する積もりは無いと述べており、AMDとは別のSSE拡張を行う方針のようである。

更に、Nehalemを32nmプロセスにマッピングしたWestmereでは、AES-NIと呼ぶ命令群が追加される。AES(Advanced Encryption Standard)は、DESに替わる米国政府標準として2001年に制定された暗号方式であり、このAES-NIにより、暗号化と複号化の性能が3倍以上に向上すると述べられた。