富士通は1日、長野県下の52の自治体に対してSaaS型電子申請サービスの提供を始めたと発表した。総務省の汎用受付システム基本仕様に準拠するSaaS製品の自治体へ向けたサービス提供は業界初。各自治体の共同利用というかたちで稼動され、住民に向けてサービスが提供される。今後は77自治体への展開を予定している。
本サービスは、総務省の基本仕様を用いた汎用受付/届出などを行う「電子申請サービス」と、自治体が公開するホームページの管理を効率よく行うための「情報提供サービス」から成る。「電子申請サービス」では、携帯電話からの申し込みや、届出を簡単に行う「かんたん受付」機能によって利用率向上が図られている。自治体視点では、住民票の写し申請などの様式を職員が簡単に作成できるため、ランニングコストの削減が期待できる。
またオプションとして、文化・スポーツ施設の情報を一元管理する「施設予約サービス」、ユーザーや企業からの問い合わせの応対をする「コールセンターサービス」、運用面など自治体からの質問に答える「ヘルプデスクサービス」を用意し、総合的に顧客の要件に合わせた運用形態を実現する。
SaaS型でのサービス提供は、ASP同様、自治体が自身で導入する場合に比べて、導入費用と5年程度の運用費用の合計が約半額程度に抑えられるとしている。さらに既に全国自治体で接続されているネットワークであるLGWAN(総合行政ネットワーク)を活用することで、セキュリティ面やシステム導入時のコスト削減にも配慮している。
価格はいずれも月額で、必須の「電子申請サービス」と「情報提供サービス」が550万円から。オプションの「施設予約サービス」は22万円から、「コールセンターサービス」は30万円から、「ヘルプデスクサービス」は20万円から。富士通は、今後3年間で30億円の販売を目標としている。