Ruby on Railsの主要開発者であるDavid Heinemeier Hansson氏は9月30日(米国時間)、Ruby on Railsの最新開発版となる「Ruby on Rails 2.0: Preview Release」を公開した。Ruby on Rails(以降、Rails)はRubyで作成されたフルスタックのWebアプリケーションフレームワーク。The MIT Licenseのもとで公開されているオープンソースソフトウェアで、アジャイルなWebアプリケーション開発を実現するツールとして高い人気を誇る。
Ruby on Rails 2.0 Preview Releaseは次期メジャーリリースとなる「Ruby on Rails 2.0」へ向けたトライアルリリース。今後必要に応じて何回かの準備リリースをへて最終的にRails 2.0が公開される。
Rails 2.0 PRではカスタムメソッドで指定する「;」が廃止されかわりに「/」を使うようになった。またマルチビューが改善されたほかHTTP関連の表現力の向上、HTTPベーシック認証に関するモジュールの追加、セキュリティへの対応強化、例外ハンドリングの改善、データベース利用性能の改善、テーブル記述の簡略化、XML/JSONによるシリアライズのサポート、プラグインにおける要求順序への対応などが実施されている。またデフォルトサポートのデータベースはMySQL、SQLite、PostgreSQLとなり、商用データベース用のアダプタはそれぞれgemとして分離された。
2.0 PRへアップデートするには、まずRails 1.2.3かまたはそれ移行のバージョンにアップグレードしてから
gem install rails --source http://gems.rubyonrails.org
のようにgemコマンドを実行すればいい。代表的な機能追加以外にも多くのバグ修正と改善が実施されている。余裕があるデベロッパはPRの段階からRails 2.0を検証しておきたい。
Railsの安定版は3月14日(米国時間)に公開された1.2.3。Rails 2.0がリリースされるまでにバグ修正を実施したRails 1.2.4がリリースされる予定だ。すでにサービスにRailsを活用している場合は2系へのアップグレードを実施するまえに1.2.4へアップグレードしてから作業するといい。