「ニコニコ動画(RC)」を運営するニワンゴは、同サイトに動画を供給している「SMILEVIDEO」における、投稿動画に対する権利保護の取り組みについて発表を行った。同社は権利者との対話に基づいた権利保護の取り組みを強化するため、今後さらに個別の話し合いの場を積極的に展開する方針であることを明らかにしている。
同社ではこれまでも投稿動画に対する権利保護を目的とした取り組みを行っているが、今回の発表によると、権利者からの申し入れにより、作品や番組のタイトルなどを指定した投稿動画の監視、削除体制が整備されることになる。
このほか、事前に登録を行った権利者に提供されている「権利侵害対応プログラム」について、権利者の意見を取り入れながらシステムの機能強化、拡張を継続して行うことや、利用者に向けた権利問題に関する啓蒙活動を率先して行うことなどが施策として挙げられている。
特定タイトルについての包括的な削除については、「個別の話し合いによって取り決められた実施項目」に基づいて行われることから、この発表によってあらゆる投稿に関する状況が一変するわけではないと推測される。同社としては、動画の権利者に対して個別の話し合いに積極的に応じることや、システム面、啓蒙面の強化を打ち出したことで、改めて権利保護に対する同社の姿勢を示した格好だ。
また、ニコニコ動画では10月中旬より、Viacom International Japan(以下、VIJ)が権利を保有するMTV Networksの国外、国内のデジタルコンテンツの一部を配信を開始する予定。配信されるのは、「ビーバス&バットヘッド」(米MTVの最高視聴率を更新した人気アニメ)などの海外コンテンツや「ウサビッチ」(ケータイから生まれた日本オリジナルのアニメ)などの日本オリジナルのアニメを含む合計9作品21本。
VIJはニコニコ動画に対してこれらの作品の権利を許諾し、動画を提供する。ニコニコ動画ではMTVの動画専用の視聴ページを設置して配信する。VIJは自社でもネット上で動画コンテンツを提供していたが、ニコニコ動画をメディアとすることでよりユーザーのチャネルを広げることになる。また、動画視聴ページの広告を共同広告メディアとして両社が広告販売を行うなど、コンテンツ力を活かした新たなビジネス展開を図るという。ニワンゴでは、今後もこのような形での動画コンテンツ提供など、新しいメディア及びビジネスモデルの構築に取り組んでいくとしている。
ニコニコ動画の開発者ブログによると、9月26日の発表で登録ユーザーは317万人を越え、月当たりの平均利用時間がYouTubeの3倍であるという発表が出た週末には、1日で75,000人以上が新規登録したという。