毎日新聞社は18日、10月1日からオープンするニュースサイト「毎日jp」に関する発表会を開催した。新サイトは「信頼のオープンサイト」をコンセプトに、読者との双方向コミュニケーションの実現や役立つ生活情報を盛り込んだ総合情報サイトになるという。現在、マイクロソフトと共同運営している「MSN毎日インタラクティブ」は9月30日で終了される。
毎日jpでは、同社のコンセプト「開かれた新聞」をネットメディアに適した形で実現するために、「カテゴリの見直し」「オープン化」「役立つサイトへのシフト」を図る。カテゴリについては、従来の新聞的なカテゴリに縛られず、「ニュースセレクト」「ライフスタイル」「エンターテインメント」の3つの大きなカテゴリを用意。アニメやゲームなどのサブカル系から、結婚、恋愛といった生活面の話題まで幅広く扱う。生活面に関しては、物件検索や転職情報検索など役立つツール、サービスなども提供する。なお、毎日jpでは、総合情報サイト「All About」が「ニュースにとどまらず生活情報分野でのコンテンツを積極的に推進していく」(オールアバウト代表取締役社長兼CEO 江幡哲也氏)。両社は5日、編集型広告での共同展開を発表しており、毎日jpではコンテンツおよびビジネスの両面で協力していくことになる。
オープン化の実現にあたっては、広く読者との双方向コミュニケーションを図る仕組みを取り入れる。アドバイザーとして著名アルファブロガーの参加協力を求めるほか、記事配信のブログパーツの提供、ブロガーによるおすすめブログの紹介コーナーも設ける。また、全記事に「Yahoo! ブックマーク」や「Yahoo! みんなのトピックス」への登録リンクを用意する。
今回のリニューアルについて、同社常務取締役主筆 朝比奈豊氏は、「(MSNとの共同運営によって)新聞社サイトとしてのブランドイメージを構築できた。今後はさらに自由で多様な情報を展開していく」と語った。2004年4月開設のMSN毎日インタラクティブは最高月間5億PV(2006年8月)を達成したが、最近では「編成権の限界、事業展開の自由がない、生活情報を十分に配信できない」(毎日新聞デジタル代表取締役社長 荒井健治氏)という限界もあり、MSNからの独立、新サイトの立ち上げを決定した。
発表会では毎日jpでコラムを執筆する女優の黒谷友香さんも登場。「趣味のガーデニングを中心に乗馬や動物たちとのふれあいに関することを書きたい」と意気込みを語った。